北朝鮮の核施設、年1~2個核爆弾製造可能
「北朝鮮のウラン濃縮施設は軍事目的であり、年に1~2個の核爆弾をつくることも可能だ」と警告する国連の報告書を、NNNが入手した。
20ページからなる報告書は、去年11月に北朝鮮の核施設を訪れたアメリカの科学者・ヘッカー氏の報告を基に、国連制裁委員会に設置された専門家パネルが独自の調査を行ってまとめたもの。
報告書は「北朝鮮のウラン濃縮活動の主な目的は軍事開発と見ており、ヘッカー氏が視察したウラン濃縮施設が実際に稼働している場合、仕様を変えて濃縮を繰り返せば年に核爆弾を1~2個つくることができる」と指摘している。
また、「北朝鮮の技術者が00年頃までパキスタンで訓練を受けていた」として、「北朝鮮の核開発にパキスタンが深くかかわっている」と分析し、「2000機もの遠心分離機をつくるには、相当な資材を違法に調達した」と指摘している。さらに、「北朝鮮には寧辺以外にも隠された濃縮施設がある」として、原爆の材料となる高濃縮ウランなどが秘密裏に拡散する危険性を指摘している。
専門家は、北朝鮮によるさらなる核開発を阻止するために、制裁リストの強化など国連安全保障理事会の制裁委員会に10の勧告も行っている。