露国防相が北方領土訪問　ヘリで視察も

　ロシア・セルジュコフ国防相が４日、北方領土を訪れた。前原外相の訪露直前となる北方領土訪問は波紋を呼びそうだ。

　ロシア・インターファクス通信などによると、セルジュコフ国防相は４日、択捉島と国後島に駐留する軍の部隊を訪問した。その後、ヘリコプターで空から色丹島を視察したという。

　北方領土をめぐっては、去年１１月のロシア・メドベージェフ大統領による訪問以降、ロシア政府関係者の視察が相次いでおり、今週初めには地域発展省の閣僚が国後島と択捉島を訪問した。

　１１日にはロシア・モスクワで日露外相会談が予定されているが、その直前に閣僚クラスが相次いで北方領土を訪れたこと、また、５６年の日ソ共同宣言で平和条約締結後の日本返還が明記されていた色丹島を視察したことは、今後の日露関係に大きな波紋を呼びそうだ。

　日本政府は駐日ロシア大使を外務省に呼び、「極めて遺憾だ」と厳重に抗議した。