デモ隊に治安部隊が発砲、5人死亡 リビア
リビアの首都・トリポリでは25日、カダフィ大佐に抗議するデモ隊に治安部隊が発砲し、5人が死亡するなど緊迫の度合いはさらに高まっている。こうした中、反体制派が支配権を掌握した東部の町にNNNのカメラが入った。
25日までにカダフィ政権の支配が事実上崩壊したリビア東部の町では、反政府側が治安の管理にあたる状態が続いている。そうした町の一つ、地中海沿岸のトブルクに入ると、金曜礼拝を終えた市民が王政時代の旗を掲げて反政府デモの行進を行っていた。兵士も反政府側についており、カダフィ派との衝突も起きておらず、トブルクはすでに解放区のような雰囲気となっている。市内の中心にある広場に面した警察署は焼き打ちされ、屋上にはカダフィ政権成立以前の王国時代の旗が掲げられていた。
市民は、これまで取材が厳しく制限されてきた外国メディアの訪問がうれしくてたまらない様子で、一様にカダフィ政権への怒りを口にした。
市民「今まで(海外の)メディアなど見たこともなかった。これまで何も言えなかったが、今は自由だ!」
一方、トリポリでは、カダフィ大佐による反政府デモに対する激しい弾圧が続いていて、25日も5人の死者が出ている。治安がいっそう悪化しており、在トリポリ日本大使館は25日から閉鎖となっている。
こうした中、カダフィ大佐は25日、トリポリの中心にある緑の広場に姿を見せ、集まった支持者に向け演説を行った。
カダフィ大佐「リビアを防衛するのだ!リビアの石油を守れ!」
また、カダフィ大佐は「これから武器庫を開放して、全てのリビア人が武装できるようにする」などと述べ、徹底的に反政府デモ隊を弾圧する姿勢をあらためて鮮明にした。今後、さらなる流血の事態が懸念されている。