韓国・延坪島砲撃から3か月 住民の現状は
北朝鮮による韓国・延坪島砲撃事件から3か月がたった。島に唯一ある学校で卒業式が行われるなど、日常の生活を取り戻しつつある住民の現状を取材した。
島の中心にある延坪小学校で21日、幼稚園から高校までの合同卒業式が行われ、41人の生徒らが学校などを巣立った。
小学校の教室の黒板には、砲撃を受けた日付がそのまま残されている。一時は全ての子供が島を離れたが、慣れ親しんだ学校で卒業式を迎えたいと、41人全員が島に戻ってきた。この日、小学校を卒業した朴昭元さん(12)は、避難先では新しい友達ができず、自分の学校で卒業できるのがうれしいと話す。
昭元さんの自宅は、砲弾の直撃を受けた。現場を案内してくれた昭元さんだが、自分の部屋に目を向けることはなかった。
小学校の敷地に建てられた仮設住宅で、昭元さん一家の新たな生活が始まっている。しかし、母親・趙順愛さん(47)は「何にも興味が持てません。意欲も希望もありません。夫の職場がここにあるし、他に行くところもないんです」と話し、現実を受け入れるには時間がかかるとしている。
事件から3か月がたち、南北の最前線に位置する島には、住民の約6割が戻った。しかし、砲撃は今なお、住民の生活に暗い影を落としている。