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リビア首都1000キロの都市から記者報告

2011年3月10日 18:29

 内戦状態が続くリビアで、石油の生産拠点をめぐる争奪戦が激化している。カダフィ大佐のいる首都・トリポリから東へ約1000キロ離れた都市・ベンガジに富田徹記者が入った。

 ベンガジの市街地は車も増え、内戦状態にあることを感じさせない。食糧水が不足している様子もなく、通常の市民活動が行われている。

 一方で、市内にはカダフィ政権側をこの街から追い出した時の闘いの跡が生々しく残されている。また、市内のあちこちに配置された高射砲が空からの攻撃に備えるなど、緊張状態を強いられている様子がうかがえた。一般市民による反政府側への志願兵の数は増え続けているということで、戦意は高いようだ。また、市内にはカダフィ大佐を揶揄(やゆ)するビラが貼られるなど、政権打倒の固い決意がうかがえた。

 ベンガジは平穏だが、周辺の都市では戦闘が続いている。ベンガジから南西へ300キロの場所にあるビンジャワドは、戦闘の最前線になっている。政権側による空と陸からの攻撃が激しさを増していて、反政府側も対空砲などで応戦している。ベンガジ市内の救急病院は、前線から運ばれてくるケガ人で一杯になっているという。

 ここ数日、カダフィ大佐の退陣をめぐって話し合いの機運が見え始めたことがあったが、その後の進展は聞こえてこない。戦闘がこう着状態に陥る中、双方に手詰まり感も出ている。