“原発誘致”韓国映画ロケ地 事故に揺れる
人気韓流スターの映画のロケ地にもなった韓国北東部・三陟市は、経済の活性化を目指し、原子力発電所の誘致を目指してきたが、福島第一原子力発電所の事故を受け、大きく揺れている。
三陟市は、3500億円の経済効果が見込めるとして原発誘致に名乗りを上げた。一時は97%の市民が誘致に賛成の立場を取ったという。
しかし、福島第一原発事故が推進ムードを一変させた。
女性「地域の利益になっても、私は反対です」
反対に転じた地元の漁師「放射能漏れが起きてから補償をもらってもしようがない」
来週行われる知事選挙では、「原発の誘致」問題が争点に急浮上している。もともと誘致に消極的だった野党系候補は、福島第一原発事故以降、誘致反対を前面に押し出した。一方、誘致推進の立場だった与党系の候補は「誘致活動を中断するよう、市に要請しました」と述べ、住民の不安が高まっているとして慎重姿勢に転じた。
この事態に、推進派の市民団体は戸惑いを隠せずにいる。団体の代表は「選挙があるので、慎重になっているのでしょう。『原発誘致をしない』ということではないと思います」と話した。
経済の活性化を望みながらも、市民は揺れている。
飲食店の店員「商売をする側としては、原発が来て経済が活性化してほしい。心配ですけれど…」
21基の原子炉を抱え、さらに7基を建設中の韓国では、国民の多くは原発は安全だと考えてきた。しかし、隣国・日本で発生した大規模な原発事故が三陟市民の意識を大きく変え、知事選で難しい判断を迫る形となっている。