中国巡視船がシンガポール寄港 権威誇示か
中国の大型巡視船が、シンガポールに寄港した。中国は南シナ海の島の領有権をめぐってベトナムなどと対立を深めていて、今回の航海は、中国の権威を誇示する狙いがあるとみられる。
シンガポールに19日に寄港した中国海事局の大型巡視船「海巡31」(排水量3000トン)は、ヘリコプターを搭載できる最大級の巡視船で、外国を訪問するのは初めて。中国は今回の巡視船派遣を「通常の訪問」としているが、南シナ海を通過して巡視活動を行うことで、島の領有権が中国にあると誇示する狙いがあるとみられる。
南シナ海での活動を活発化させる中国に対しては、ベトナムなど東南アジアの国々の他、アメリカが懸念を強めているが、中国外務省報道官は21日の会見で「中国が、南シナ海の平和と安定を維持するため、建設的な役割を果たしているのは国際社会の共通認識だ」と反発した。