ギリシャ、財政再建計画を国会で承認
財政破綻の危機に陥っているギリシャは29日、政府の財政再建計画を国会で承認した。EU(=ヨーロッパ連合)から支援を受ける条件を整えたことになる。
首都・アテネの国会前には、前日よりもさらに多くのデモ隊が集まった。治安部隊は次々と催涙弾を撃ち込み、激しい衝突に発展、地元警察などによるとデモ隊ら約50人がケガをした。約3兆円規模の予算カットを目指す政府の財政再建計画は、その混乱の中で採決が行われた。与党の幹部が反対票を投じたものの、賛成票が上回り、辛うじて国会を通過した。EUから資金援助を受ける条件をクリアしたことになる。来月半ばに国債の償還期限を迎えた際に債務不履行になることが懸念されていたが、何とか免れた格好で、財政破綻は一時的に回避されることになった。
国会での承認は、今後の増税やリストラを意味する。デモに参加した人からは「ギリシャの状況はもっと悪くなる。貧乏人はもっと貧しくなるよ」「計画は一時しのぎよ。明日はどうなるの?同じことの繰り返しだわ」といった声が聞かれた。
計画を予定通り実施して赤字を減らせるのか、まだ不透明な情勢が続きそうだ。