爆弾テロと銃乱射で92人死亡、ノルウェー
ノルウェーの首都・オスロで22日、爆弾テロが起きたのに続き、郊外で銃乱射事件が発生し、少なくとも92人が死亡した。警察は両方の事件にかかわった疑いで32歳の男を逮捕し、本格的に取り調べている。
日本時間22日夜、オスロの首相府や官庁の建物などがある中心部で大きな爆発が起き、7人が死亡した。
その約2時間後、オスロから約30キロ離れたウートイヤ島で、男が1時間半にわたり、自動小銃を乱射した。地元メディアによると、この島では政権与党を支持する若者約700人を集めたキャンプが行われていた。この乱射で、主に10歳代や20歳代の若者85人が死亡した。
ストルテンベルグ首相は23日、「平和な島で、多くの若者がこんな被害に遭ったのは本当に残念」と述べた。
警察は両方の事件にかかわった疑いで、ノルウェー人の男を逮捕した。複数犯の可能性も視野に入れて、事件を引き起こした動機などについて本格的に追及している。
これまでの警察の調べで、男は保守的なキリスト教徒であることがわかっている。また、この男とみられる人物が、インターネット上の政治思想を書き込むサイトに意見を載せていたことが明らかになった。それによると、男は「保守的な人々を脅かす」などとして政権与党を批判する言葉を並べている。さらに、簡易投稿サイト「ツイッター」には、「信念ある一人の人間は利益しか考えない10万人に値する力がある」と犯行をにおわせるような書き込みがあった。
動機の解明はこれからだが、ノルウェー政府が長年にわたって移民に寛容な政策をとっていることに対する不満が犯行のきっかけとなった可能性もある。