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ギリシャで大規模スト 市民が負担増に反発

2011年10月6日 1:18

 財政危機に直面しているギリシャでは日本時間5日夜、政府の増税や公務員のリストラに反発する人々が大規模なストライキを起こした。

 国会議事堂に面した広場では、治安部隊と市民の小競り合いが続き、催涙弾が飛び交った。影響は観光地にも及び、アクロポリスの丘に立つ世界遺産・パルテノン神殿はストライキで封鎖された。さらに、国営テレビもストライキしたため、国営テレビの放送は休止されていた。

 長年続いた公務員への厚い待遇や、ばらまきともいえる公共事業があだとなり、巨額の借金を抱えたギリシャだが、今回のデモは待遇が悪くなった公務員や、増税に反発する市民が中心となった。

 ギリシャの財政難は今に始まったことではない。国民はすでにこれまでもリストラや賃金カットなどを強いられている。そうして自分たちが“痛み”に耐えてきたにもかかわらず、生活が一向に良くならないばかりか、さらなる負担を求めてくる。こうした政府に対する不満が充満している。

 デモ参加者からは「我々の政府は、銀行に金を払うためだけに、国民から税金などで多額の金を取っていくんだ」といった声が上がっているが、こうした声はデモに参加した市民だけではなく、一般の人々からも聞かれる。街中でインタビューをしても、失業中だったり、年金を受け取っていなかったりしている人に出会うことは珍しくない。

 一方で、どうすれば国の経済は立ち直るのかという問いかけに対して明確な意見を持っている人は少なく、「一度どん底に落ちるしかない、そうすれば後は上がるだけだから」といった、半ば諦めのような声もあった。