タイ洪水 日系企業への影響拡大

タイの洪水で生産がストップするなど、日系企業への影響が拡大している。長期化すれば年末商戦に影響するため、企業は対策を検討している。
タイ中部にある工場でデジタルカメラなどを製造している「ニコン」は、浸水のため、6日から操業を停止している。ニコンはこの工場で、デジタル一眼レフの約9割を製造しており、年末商戦に向けた生産が間に合わなくなることを避けるため、日本での代替生産を含め、対策の検討を始めた。
また「ソニー」も、デジタル一眼レフのほぼ全てを生産している工場を11日から止めている。商品不足などの影響を避けるため、他の拠点に生産を移すことも検討している。
ジェトロ(=日本貿易振興機構)によると、浸水などの被害が出ている工業団地は5か所で、315の日系企業が入居している。ジェトロには「高台にある倉庫を紹介してほしい」「退避命令で工場に近づけない。様子を知る方法はないか」などの相談が寄せられているという。