ギリシャの緊縮法案、賛成多数で可決・承認
これまでで最大規模のストライキが続くギリシャで20日、財政赤字を削減するための緊縮法案が可決、承認された。一方、これに抗議する市民の一部が暴徒化し、死者や多数のケガ人が出ている。
ギリシャでは20日、約10万人の労働者がストライキやデモを行った。国会の周辺では、暴徒化した若者グループと労働組合側が対立し、市民同士が石や火炎瓶を投げ合うなどの異常事態となった他、警官隊とも衝突した。警察などによると、デモに参加していた53歳の男性が死亡した他、ケガ人や逮捕者も出た。
こうした中、国会では、財政赤字削減のため、公務員3万人のリストラや年金の減額などを盛り込んだ緊縮財政法案について採決が行われ、賛成多数で可決、承認された。EU(=ヨーロッパ連合)は23日に首脳会議を開くが、この法案が承認されたことで、80億ユーロのつなぎ融資は実行される見通しとなり、ギリシャの債務不履行(デフォルト)の危機はひとまず回避されることになりそうだ。