日本人女性が、アメリカ国籍の自分の子供を元夫に無断でアメリカから日本に連れ帰ったとして罪に問われていた裁判で、２１日、女性が子供をアメリカに戻す代わりに女性の罪を軽減することで事実上、和解した。
この裁判は、アメリカに住んでいた４３歳の日本人女性が、元夫と離婚訴訟を行っていた０８年、娘を無断で日本に連れて帰ったとして「親権妨害」の罪に問われているもの。女性はその後、アメリカの永住権を更新するため、ハワイを訪れた際に逮捕された。
２１日に女性と元夫側、検察が協議を行い、女性は無罪の主張を取り下げた上で、日本にいる娘を３０日以内に元夫の元に戻すことに同意。検察側がそれと引き換えに女性の罪を軽くすることで事実上、合意した。女性は、有罪なら懲役１２年の判決を受ける可能性があった。
判決後、元夫は「うれしいが、娘がアメリカの土地を踏むまでは安心できません」と話した。
国境を越えた子供の連れ去りを防止することを定めた「ハーグ条約」では、一方の親が子供を国外に無断で連れ出した場合、子供を元の国に戻すことが定められている。日本はハーグ条約に加盟していない。
