「パンダ」が日本からいなくなる……“アメリカと組むな”中国からのメッセージ? 和歌山の4頭を返還【#みんなのギモン】
忽滑谷アナウンサー
「上野も、次のパンダが来るかどうかはまだ不明ですが、『パンダ外交』という言葉もありますよね。どうなのか、専門家に聞きました」
「中国外交に詳しい東京女子大学の家永真幸教授によると、パンダ外交の歴史は古く、1941年に中国からアメリカにパンダを贈ったのが最初の事例とみられています。当時は日中戦争中で、中国は日本と戦うために、アメリカからの支持が必要で贈ったということです」
「そしてその約30年後、1972年に日本に初めてパンダがやってきました。日中国交正常化を記念して『友好の証』として2頭のパンダが贈られました」
「今回の和歌山の返還について家永教授は『契約はいずれ満了するので、返還自体は政治的なものではない』とみています。一方で『次のパンダ協力を締結・公表する前に今回の返還となったことについては、政治的な判断があったのだと推測される』と言います」
忽滑谷アナウンサー
「一方で、こんな見方もあります」
「柳沢高志・NNN中国総局長は『中国がアメリカと“貿易戦争”を繰り広げている中で、日米で中国に対立するような事態にならないか見極めようとしていて、今回のパンダ返還も“アメリカと組むな”という中国のメッセージともよめる』と話しています」
森アナウンサー
「日本とアメリカ、対中国にならないようにということですか…。外交でそれだけパンダの存在感が大きくなっているということにも驚きですし、それだけパンダが愛されているという証拠になるわけですね」
「重要な動物ということなんですね。『来年日本ではパンダが見られなくなってしまうの?』と不安になっている方もいると思いますが、こんな動きもあります」
「茨城県の大井川知事は25日、『パンダ誘致という目標・目的も実現に結びつけていきたい』と語りました。誘致先は茨城・日立市のかみね動物園です。知事自ら、何度も中国・陝西省にある保護研究施設の視察に出向きました」
「4月19日には、友好県省関係の発展に関する覚書を締結しました。パンダを誘致するために尽力しているということです」
「茨城へのパンダ誘致が成功するかどうかについて、家永教授は『飼育能力があることを示し、かつ中国側がその地域にパンダを送り出すことに意義を見出せば実現するのではないか』と話します。今後の動きにも注目です」
(2025年4月25日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)
【みんなのギモン】
身の回りの「怒り」や「ギモン」「不正」や「不祥事」。寄せられた情報などをもとに、日本テレビ報道局が「みんなのギモン」に応えるべく調査・取材してお伝えします。(日テレ調査報道プロジェクト)