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国際
2013年1月2日 15:38

日中関係は改善するのか 13年の展望

 日本と中国が国交を正常化してから40年となった12年。両国の友好関係を発展させる節目の年となるはずだったが、日本政府が9月、沖縄・尖閣諸島を国有化すると、島の領有権を主張する中国は強く反発した。中国政府は監視船を連日のように尖閣周辺海域へ派遣し、12月には中国機が初めて日本の領空を侵犯した。

 日本の実効支配を揺さぶるため、中国は「尖閣での活動」を常態化させる構えで、海と空から圧力を強めている。防衛省のシンクタンクである防衛研究所は、尖閣諸島の周辺海域をめぐって「中国が軍を投入する可能性が高い」として警鐘を鳴らす。日中の対立は新たな局面に入り、緊迫している。

 こうした中、中国では10年ぶりに指導部が交代し、習近平体制が発足した。日本では安倍政権が誕生した。日中のトップ交代は、両国関係にどのような影響を与えるのか。

 中国の対日政策に詳しい清華大学・劉江永氏は、06年に安倍首相(当時)が前の小泉政権で冷却化した日中関係を立て直したことを念頭に、「島の国有化で日中関係を悪化させたのは民主党政権。安倍首相には関係改善のチャンスがある」と期待感を示す。しかし、「尖閣諸島での公務員常駐」構想など安倍首相がこれまで示してきた中国への強硬姿勢には、「実現すれば中国は必ず措置を取り、関係悪化がさらに進む」と警戒する。

 一方、習総書記については、軍との関係が深いことから、対日強硬姿勢を取るとの見方が出ている。第1次安倍政権で中国大使として対中外交にあたった宮本雄二氏は、習総書記の対日観について「国際情勢をよく理解しており、日本にも結構知人がいて、悪い関係でない」と評価する。

 その上で、宮本氏は「問題は国内のナショナリズム。これは人民解放軍の中にもあり、どう対応するかという非常に難しいハンドリングを習総書記は求められている」と指摘、大国化に伴って中国で高まるナショナリズムが、習総書記の対日政策の鍵を握ると分析する。宮本氏は今後の日中関係について、「ここまで関係が悪化しているので、尖閣の問題は脇に置いて、それ以外の関係修復をしていく道に入る必要がある」と述べ、個別の案件が両国関係全体に影響を与えてはならないと強調する。

 尖閣について「交渉の余地はない」と述べるなど、安倍首相は現在のところ、中国に対して従来の姿勢を維持する。中国側は政権交代を「転換点」と位置づけて対日関係の修復を模索する一方、安倍首相が中国に対する厳しい姿勢を変えるのか、その出方を見極める方針だ。