北朝鮮は２１日、２５日から行われる予定だった、北朝鮮と韓国で離れて暮らす「離散家族」の再会を延期すると発表した。韓国を揺さぶる狙いがあるものとみられる。

　北朝鮮側は理由について、韓国内の保守勢力が北朝鮮との対決姿勢を強めていて、見逃すことができないと主張。また、最近の南北関係の進展を、韓国・朴槿恵政権が「自分たちの政策の成果だと騒ぎ立てている」と非難した。

　北朝鮮は１６日、韓国と共同で開発する開城工業団地の稼働を再開させるなど、このところ融和姿勢を強めていた。しかし、朴政権が軟化の兆しを見せないことから、韓国主導で南北関係が進展するのを嫌い、揺さぶりをかける狙いがあるものとみられる。

　韓国の統一省は「反倫理的な行為」だと北朝鮮を非難し、「韓国国民を愚弄（ぐろう）するのをやめ、離散家族再会に速やかに応じるよう」求めた。