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安倍首相の靖国参拝、日米関係への影響は?

2013年12月27日 1:38

 26日、安倍首相が靖国神社を参拝したことについて、アメリカ政府は「失望している」とこれまでにない強い表現で参拝を批判した。アメリカ政府が今回、異例とも言える声明を出した意味は何なのだろうか。ワシントンから田口舞記者が報告する。

 「失望している」という表現はこれまでにない強いもので、アメリカ側のいらだちを露わにしたものだといえそうだ。

 アメリカ政府は、安倍政権が発足以来、経済の回復を優先し、中国や韓国との摩擦を生じる行動を避けてきた事を評価していた。しかし、声明では中国や韓国の立場を尊重する姿勢を明確にしており、アジアの安定を求めてきたアメリカにとって、今回の参拝に強い失望感を伴うものだった。

 日本の外交当局者からも「なぜこのタイミングなのか、アメリカ側の懸念が表れている」と受けとめている。

 今回の声明が駐日アメリカ大使館から出された点については、ホワイトハウス関係者の中にも、ワシントンから直接批判することで、日米関係にも大きな影響を及ぼさないよう配慮したのではという見方がある。

 ただ、日米の間では、中国の海洋進出への対応や沖縄・普天間基地の移設問題など課題が山積みとなっている。両政府は来年4月のオバマ大統領の日本訪問も調整している最中だが、外務省幹部はこちらへの影響は限定的なのではないかとみている。

 しかし、日本がアジアとの摩擦を抑えながら懸案に対処できるのか、アメリカは安倍首相の今後の言動に神経をとがらせるものとみられる。