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2014年7月11日 16:25

コートジボワール 復興に向けた日本の支援

コートジボワール 復興に向けた日本の支援
(c)NNN

 「2014 FIFA ワールドカップ ブラジル」で日本代表が初戦で敗れたコートジボワール。かつての内戦で大きな傷を負ったその国で、実は今、日本が大きな役割を果たしている。小島康裕記者が取材した。

 苦い思い出の残ったワールドカップ。日本代表の出鼻をくじいたのは、なじみの薄かったアフリカの国、コートジボワールだった。試合でも存在感を見せつけた絶対的エース、ディディエ・ドログバ選手。大会前、自らのふるさとをこう話していた。

 「危機を脱したばかりの国ですが、人々は生きる喜びを感じています。国民は寛大で明るい人たちです」

 フランス語で“象牙海岸”を意味するコートジボワール。主な産業は農業で、中でもカカオは世界一の生産量を誇る。ジャングルの中にあるカカオ畑では、実が鈴なりになっていた。その実を食べてみると、チョコレートとは似ても似つかない甘酸っぱい味がした。

 もう一つのコートジボワールの顔。それは発展した経済だ。最大の都市アビジャンでは高層ビルが立ち並ぶ。70年代までの経済成長は“象牙の奇跡”として、世界中の注目を集めた。しかし、経済発展を推し進めたカリスマ指導者が93年に亡くなると、地域間、人種間の対立が表面化し、内戦が始まった。

 アビジャン郊外の町、ヨプゴン。小学校で校長先生がある場所へ案内してくれた。

 「完全に破壊された事務所です。こちらです。見えるでしょ。学校の思い出のすべてが焼けて灰になってしまったのです」

 事務所には、バラバラになってしまった机や椅子があった。天井にぽっかりと開いた穴からは空がのぞいている。

 対立する双方の陣営が拠点を置いたヨプゴンでは、激しい戦闘が繰り広げられた。今も校舎には銃弾の痕が残っている。3年前にようやく国の再建が始まってからも、地域のインフラは手つかずのままだった。内戦は街を分断し住民間の信頼関係も損ねてしまったという。

 そのヨプゴンで、月に1回行われている重要な会議がある。参加しているのは地元住民。司会は市役所の職員だ。それを日本人が見守る。これは日本のJICA、国際協力機構のプロジェクト。話し合っているのは校舎の改修工事についてだ。ただ、これには仕掛けがある。JICAの関口さんがこう説明してくれた。

 「なるべく地元の住民をたくさん巻き込んで一緒に工事をすることで、今まで敵だと思っていた人も同じ目標に向かってやっていける人だと」

 これまで、アフガニスタンやアフリカのコンゴで、地域の復興計画に住民を巻き込むことで意識改革やノウハウの定着に努めてきた。今回は住民同士が協力するよう仕向けることで、インフラの再建と信頼関係の回復を同時に目指す一石二鳥の取り組みだ。関口さんはさらにこう語っていた。

 「だれも紛争に戻りたいとは思っていない。回を重ねるごとにみんなでつくっていこうという意識は確実に高まってきているという感触は受けています」

 傷ついた校舎に通う子どもたちの未来を、日本がひそかに後押ししている。