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2016年12月2日 15:38

「格差」は拡大、トランプにのしかかる課題

「格差」は拡大、トランプにのしかかる課題
(c)NNN

 大統領選挙以降、株価が上昇するなど経済の回復に期待が高まるアメリカ。一方で、国民の7人に1人が貧困に苦しむなど「格差」は深刻で、トランプ次期大統領には課題がのしかかっている。

 大統領選挙の後、初めてとなる大型連休を“第2の古里”フロリダ州の別荘で過ごしたトランプ氏。フロリダは定年後に移住する裕福な人も多く、ビーチ沿いには高層マンションが次々と建設されている。完成が2年後の高級マンションも半数以上の部屋が売れていた。

 不動産業者「とてもよく売れてます。売れ筋は550万ドル(約6億2000万円)~670万ドル(約7億6000万円)です」

 その一方、各地で行われる無料の炊き出しには行列ができている。

 フロリダは中南米からの移民も多く、白人の富裕層との格差が大きい。所得が上位20%の富裕層と下位20%の貧困層の世帯収入を比較すると、1980年代に10倍だった格差が16倍にまで広がっている。

 このため、ホームレスを保護する施設も入所待ちの状態となっている。妊娠8か月のエスカーレット・グテーレスさん(23)は、4歳と5歳になる子どもと生活している。

 グテーレスさん「(夫が病気で)失業し、家賃などが払えなくなり、アパートを出されて、ここに来ました」

 施設では就職の支援などを行っているが、女性と子ども専用のため、夫は知人の家で暮らしているという。

 2歳の娘と暮らすレイビン・ウィリアムズさん(22)は、夫が逮捕されたことで家を失った。金銭面で頼りにしているのが、国が配布している食料購入の補助金だ。

 ウィリアムズさん「毎月11日、356ドル(約4万円)の食料補助をもらっています。食べ物を買うお金がないので、(補助金で)必要な物を買えて助かります」

 アメリカで食料購入の補助金を受け取っているのは約4600万人と、10年前と比べて2倍近くに急増。世界最大の経済大国だが、実は国民の7人に1人が貧困に陥っている。

 グテーレスさん「家族が一緒にいられなくて寂しい。トランプ氏は(不法移民など)多くの人を排除すると言っているので、たくさんの人がホームレスになり、家庭崩壊につながると思う」

 貧困に苦しむ人がいる一方、トランプ氏の公約をビジネスチャンスと捉える企業も現れた。テキサス州の建設会社は、メキシコとの国境での壁の建設の受注を狙っている。

 建設会社のスターンフェルドCEO「もし、アメリカ政府がトランプ氏を通して約2000マイル(約3200キロ)にわたる壁を国境に建設した場合、約500億ドル(約5兆7000億円)かかるだろう」

 この企業が以前建設したコンクリート製の壁は、高さ3メートルあまり。その4倍、高さ12メートルの壁を国境沿いに新設した場合、材料費や設置費用などで5兆円以上と試算している。その上で、トランプ氏とその家族宛てに壁の建設方法などを書いた手紙を送っていた。

 スターンフェルドCEO「これはチャンスです。この国、世界にとって歴史的なときです。何らかの方法でその一員になれたら(光栄だ)」

 期待と不安が交錯しているアメリカ。7人に1人が貧困に苦しんでいるという現実に、トランプ氏はどう立ち向かうのか。