先月２７日、何者かに射殺されたロシアの野党指導者・ネムツォフ氏を追悼する行進が１日、モスクワで行われた。主催者によると、約４万人が参加したという。

　行進の参加者らはネムツォフ氏の写真を掲げながら、モスクワ中心部の大統領府前や銃撃現場などを練り歩いた。この日はもともと、プーチン政権に批判的だったネムツォフ氏がウクライナ危機をめぐる政府の対応を批判するデモを呼びかけていたが、ネムツォフ氏の殺害を受け、急きょ、追悼の行進に変更された。主催者は、約４万人が参加したとしている。

　一方、ネムツォフ氏は、殺害される約２時間前に、ラジオ番組でウクライナ危機をめぐるプーチン政権の政策を批判しており、その際のスタジオ内の映像が公開された。

　「プーチン大統領はウソの専門家、病的なウソつきです。デモ行進によって状況を平和に向け、政府の目を覚ますことができるでしょう。私たちは政策の転換を成し遂げることができるはずです」－ネムツォフ氏はこのように述べ、反政府デモを呼びかけていた。

　ロシアでは今回の事件をきっかけに政権批判の声が高まる可能性もあり、プーチン政権は警戒を強めるとみられる。