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2017年4月21日 16:47

対中「貿易不均衡」米国企業の動きは…

対中「貿易不均衡」米国企業の動きは…
(c)NNN

 アメリカのトランプ大統領は今月、中国の習近平国家主席と初めて会談した。トランプ大統領が問題視する中国との貿易不均衡について話し合われる中、アメリカ国内での動きを取材した。

 トランプ大統領「大きな進展が得られたと思う。今後もさらに進展していくだろう」

 習国家主席「最も重要なのは、深い交流ができ、信頼関係を構築できた」

 今月6日から2日間の日程で行われた米中首脳会談で初めて顔を合わせたトランプ大統領と習国家主席は、北朝鮮問題にともに取り組むことで一致した。

 一方でトランプ大統領は、中国との貿易でアメリカの雇用が失われていることに「深い懸念」を示した。


■「45%関税」に懸念の声も

 去年1年間、中国による貿易赤字は3470億ドル(約38兆円)に上った。これはアメリカの貿易赤字全体の46%を占めている。トランプ大統領は選挙戦の間、「中国からの輸入品に45%の関税をかける」と主張していた。

 中国からの鉄鋼を取り扱っている港湾管理会社は、この方針に懸念を示している。

 港湾管理会社のロバート・ランドリー副社長「アメリカも鉄鋼業は強いが、国内でかなり消費されるので量が足りません。そのため毎年、鉄鋼の25%を(中国などからの)輸入に頼っています」

 映画館のリクライニングソファを製造しているミシガン州の工場では、映画館の要望にあわせて色や形をカスタマイズし、売り上げを伸ばしている。

 木材などはアメリカ産を使用しているが、ねじなど多くの部品を中国からの輸入品に頼っている。仮に中国製品に45%の関税がかけられた場合、1台500ドル(約5万4500円)という現在の価格を値上げし、600ドル(約6万5400円)にしなくてはならないという。

 リクライニングシート製造会社のチャールズ・リード社長「我々はアメリカの企業だけではなく、世界の企業と競争しています。価格を維持することがとても重要です。(関税の値上げは)我々にとって試練です」


■ビジネスチャンスと捉える企業も

 また、おもちゃも中国からの輸入に依存している一つで、アメリカで販売されているおもちゃの実に9割が中国から輸入されている。

 こうした現状を打破しようと、トランプ大統領の方針をビジネスチャンスだと捉える人もいる。コネティカット州で幼児向けのおもちゃを製造する会社。

 おもちゃ工場のジム・バーバー社長「おもちゃの素材の3割に廃材を利用しています」

 材料は全てアメリカ国内から調達。プラスチックに廃材を混ぜることで木の肌触りを出すだけでなく、1個20ドル(約2180円)と価格も抑えている。

 また、試作品作りに3Dプリンターを利用するなど、低価格な中国製に対抗する努力を続けている。

 ジム・バーバー社長「(中国からの製品に関税をかける政策は)我々の会社に後押しとなるので歓迎です。アメリカの製造業に(中国などの)安い賃金の労働者を使う企業と公平な場で競えるようにする機会を与えるという考えは、良いアイデアだと思う」


■中国への方針を緩和?

 米中は今後、貿易赤字の是正に向けた「100日計画」を作り、協議を始める方針。

 しかし、トランプ大統領は、まずは北朝鮮問題を解決するよう中国に迫っており、「北朝鮮問題で中国と取り組んでいる間に貿易戦争を始めるというのか」などと話している。こうした発言から、大統領が中国に対する方針を緩和したとの見方も出ている。

 今後、トランプ大統領が強硬な要求をするのかどうかは、中国の北朝鮮問題への取り組み次第だとみられる。