日米の“真の脅威”は北朝鮮ではなく中国?
ニュースのポイントをコンパクトにまとめた「深層NEWS ここにフォーカス」。5日は「日本とアメリカにとって真の脅威は北朝鮮ではなく中国ではないか」ということについて、外交と軍事の専門家に聞いた。
◇金沢工業大学虎ノ門大学院・伊藤俊幸教授
――日本とアメリカにとっての本当の脅威は中国ですから。ミサイルも、はっきり言ってどうでもいい(北朝鮮の)ロケットと違って本当に当たりますよ。日本にもアメリカにも。弾道ミサイルだけじゃなくて巡航ミサイル。これはレーダーで捉えることが難しいですし、撃ち落とすことが難しい。これは中国はもう完成している。沖縄も当てられますし、ついにグアムにまで届くものも作った。そういったものに対する軍事的な対抗処置をいま取らないといけない。一つのうがった見方をすると、北朝鮮を題材にして軍拡するのは国民が許すわけですよ。日米ともに。でも本当の裏にあるのは対中国のための準備をしている。
◇元米国務省(日本部長)ケビン・メア氏
――短期的に見ると一番脅威になっているのは北朝鮮。長期的に見れば一番日本に対する、アメリカに対しても一番脅威になるのは中国です。2005年に(日米)2+2の共同声明で中国という名前を初めて使った。その時すごく「挑発的な表現じゃないか」と批判されたが、いまはみんな「当たり前じゃないか」と。中国の脅威に対処するように日米がいろいろ共同で演習とかやっている。中国に対処するために、これからはますますネットワーキングできるような軍事力を向上しないといけない。抑止力のために。