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米大統領「親露派地域から撃墜」航空機墜落

2014年7月19日 20:26

 ウクライナ東部で墜落したマレーシア航空17便をめぐり、アメリカのオバマ大統領は18日、親ロシア派の地域から発射された地対空ミサイルで撃墜されたとの見方を示した。一方、OSCE(=ヨーロッパ安全保障協力機構)の調査チームが墜落現場に入ったが、親ロシア派の妨害に遭い作業が難航している。

 アメリカのオバマ大統領は18日、緊急会見を開いた。

 オバマ大統領「親ロシア派が制圧している地域から、発射された地対空ミサイルによって撃墜されたことを示す証拠がある」

 オバマ大統領が初めて“ミサイルは親ロシア派の地域から発射された”との見方を示した。さらに、ロシアが親ロシア派を支援しているとして、プーチン大統領を強く非難した。

 18日、アメリカ・ニューヨークで開かれた、国連安全保障理事会の緊急会合では、ウクライナとロシアの代表が非難の応酬となった。

 ウクライナ・セルゲイエフ国連大使「この悲劇は、ロシアが親ロシア派勢力を支援したり、地対空ミサイルを提供したりしていなければ起きなかった」

 ロシア・チュルキン国連大使「なぜ、ウクライナ政府は民間機を紛争地域上空に飛ばしたのか。きょうやっと空域を閉鎖したが、なぜ今までやってこなかったのだ」

 国連安保理は、墜落原因について国際的な調査を求めることで一致している。

 こうした中、ウクライナ内務省が、新たな映像を公開。親ロシア派の地域からロシア国境に向かう車の荷台に、地対空ミサイル「BUK」とみられる装備が積まれていたという。内務省は、本来4つ積まれているはずのミサイルが3つしかなく、親ロシア派が航空機の撃墜に使用した可能性があると指摘している。

 しかし、親ロシア派の幹部は「高度1万メートルで飛行するジェット機を撃墜するのは我々の技術では不可能だ」と話し、「BUKは持っていない」と航空機墜落への関与を改めて否定。

 OSCEの調査チームは、現場の状況を確認するため現地入りした。しかし、親ロシア派に「ここでは私の命令に従わなくてはならない」と威嚇発砲されるなど、親ロシア派による妨害行為を受けた。

 OSCE報道官「遺体は今、非常に悪い状態にある。きょうはとても無礼な人がいて、調査はとても困難だった」

 真相の究明に向けた徹底的な調査が行われるのか、早くも懸念が広がっている。