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「停戦」願うローマ教皇の葬儀を前に…米ウ両首脳バチカンで“電撃会談”成果は【バンキシャ!】

2025年4月28日 10:52
「停戦」願うローマ教皇の葬儀を前に…米ウ両首脳バチカンで“電撃会談”成果は【バンキシャ!】

20万人以上が集まったというローマ教皇・フランシスコの葬儀で、アメリカ・トランプ大統領とウクライナ・ゼレンスキー大統領が再会。“口論会談”から約2か月、今回は膝をつき合わせた電撃会談でした。教皇の願い「停戦」へ交渉の行方は。【バンキシャ!】



日本時間26日、バンキシャ!はイタリア・ローマへ。町にはたくさんの警察車両。ヘリコプターも飛び交う。すると…

バンキシャ!
「あ、国旗が見えた。今アメリカのトランプ大統領を乗せたとみられる車列が出てきました」

星条旗を掲げた、黒塗りの車。アメリカの大統領専用車だ。この約10時間前…

トランプ大統領はメラニア夫人とともに、ローマ近郊の空港に降り立った。続いてウクライナのゼレンスキー大統領も到着。2人がそろってローマ入りした理由、それはローマ教皇・フランシスコの葬儀だ。

世界に10億人以上いるカトリック教会信者の最高指導者、ローマ教皇。4月21日、88歳で亡くなった。

教皇になって12年。訴え続けたのは、“世界平和の実現”だった。

フランシスコ教皇(2022年)
「この国旗は戦場から来ました。痛めつけられ苦しむ町、(ウクライナの)ブチャから来たのです」

教皇が晩年、心を寄せ続けたウクライナ。しかし今、“停戦”をめぐる交渉は停滞している。

トランプ大統領
「あなたは今、あまり良い立場にない。非常に悪い立場に身を置くことを認めてしまっている」

ゼレンスキー大統領
「戦争が始まった時から…」

トランプ大統領
「あなたは良い立場にない」

日本時間3月1日、約2か月前の会談では激しい口論に発展。アメリカ側がゼレンスキー大統領の服装を揶揄する一幕もあった。

“ケンカ別れ”以来の再会。世界が見守る中で、“停戦”に向けた話は進んだのか。

バンキシャ!
「きょうはスエットじゃないですね。襟付きのシャツのようなものを着ています」



日本時間25日、葬儀前日のイタリア・ローマ。あるレストランを訪ねた。注文したのは…

店員
「これがカルボナーラです」

バンキシャ!
「カルボナーラ」

店員
「こちらはカチョエペペ、そしてアマトリチャーナです。お召し上がりください」

「カルボナーラ」にチーズと黒コショウがきいた「カチョエペペ」、そしてトマトソースの「アマトリチャーナ」。実はこれ、フランシスコ教皇がこの店でよく食べていたというパスタだ。

バンキシャ!
「1人で1皿食べた?」

店員
「ええ、ソースまでパンで拭い取って」

教皇のお気に入り、そのお味は…

バンキシャ!
「チーズの味が強いですね。日本のカルボナーラと違ってあまりクリーム感はないです。すごくおいしい」

このパスタを求め、教皇は10年以上店に通っていたという。

教皇“行きつけ店”オーナー
「常に笑顔を絶やさない人でした。冗談を言うこともあったし、陽気でした。でも自分の思いを伝える時は真剣に伝える。そんな人でした」

教皇が真剣に伝え続けたもの。それが「世界平和」だった。



2019年に来日した時には、広島と長崎を訪問。被爆地から、核兵器の廃絶を強く訴えた。この時、慰霊碑に追悼をささげる教皇を隣でサポートした高校生がいた。松田小春さん。

25日、バンキシャ!は大学生になった松田さんとともに平和記念公園を訪れた。

バンキシャ!
「キャンドルはどの辺で?」

松田小春さん
「ここの真ん中の方で点火の役をさせていただいた。当時は緊張していてあまり記憶がないです」

緊張しながらも広島へ来てくれたことに感謝を伝えたという松田さん。

「(教皇の訪問が)核兵器を使わせないということの大切さを、もう1度考えるきっかけになったのではと思っていて、本当に感謝しています」

「平和活動はもちろん、いろんな方に対して対話をする活動などをされていたローマ教皇の人生に敬意を表したい気持ちです」



亡くなる前日までウクライナの人々に心を寄せ、平和の尊さを説いていた教皇。いわば遺言となった“停戦”に、近づくことはできるのか。

葬儀の日(日本時間26日/バチカン市国)。バンキシャ!は、ウクライナとアメリカの大統領を追った。

葬儀は、こちらの大きな広場で行われた。各国の首脳たちは画面奥の「大聖堂」に安置された棺の前を通り、広場に出るという流れだ。

大聖堂に先に姿を見せたのは、トランプ大統領。教皇に別れを告げる。その約20分後、広場へ。それに続くように、ゼレンスキー大統領も広場に出てきた。

おごそかに始まった葬儀。

バンキシャ!
「トランプ大統領ですね。トランプ大統領の姿が見えます。そして左側、ゼレンスキー大統領です」

「きょうはスエットじゃないですね。襟付きのシャツのようなものを着ています」

葬儀の途中。トランプ大統領は周りの人々と握手を始めるが、その中にゼレンスキー大統領はいない。この時2人の間には、10人の参列者がいた。

結局、2人が近づくことはなく葬儀は終了。しかし、これと時をほぼ同じくして、ある写真がSNSに投稿された。

広い空間にぽつんと座る2人の大統領。

膝と膝がぶつかりそうな距離で言葉を交わしている。実は葬儀の前、約15分にわたり会談を行っていたのだ。

ローマ教皇の葬儀の前に行われた、トランプ大統領とゼレンスキー大統領による“電撃会談”。その場所を、グーグルマップで探してみると…

バンキシャ!
「あ、この絵ですかね、これ2人のうしろにあった絵ですね」

大聖堂の中に、会談の写真とよく似た場所を発見した。周りを見てみると…

バンキシャ!
「この奥は教皇の棺が安置されていた場所に似ていますね」

教皇の棺が安置されている同じ空間で、2人は会談を行ったとみられる。

会談の内容について、ゼレンスキー大統領は…

「素晴らしい会談だった。1対1で多くのことを議論できた。話し合った全てのことについて成果が出ることを期待している」

アメリカ側も詳細は明かさなかったが、「非常に生産的な会談だった」と発表。トランプ大統領はウクライナに歩み寄る一方、ロシアに対して、強い言葉で批判した。

トランプ大統領(SNS)
「プーチンがここ数日で行った市街地へのミサイルの発射には正当な理由がない。彼は戦争を止める気がないのかもしれない」

そのロシアは、アメリカの特使と会談し、「前提条件なしでウクライナと交渉を再開する用意がある」と伝えたことがわかった。

足踏みの続く停戦交渉をめぐる動き。今後進展がみられるのか。

*4月27日放送「真相報道バンキシャ!」より

最終更新日:2025年5月2日 18:48
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