日テレNEWS
国際
2019年1月2日 16:15

期限を迎え どうなるイギリスEU離脱

2019年3月30日午前8時、イギリス時間の3月29日午後11時にイギリスはEU(=ヨーロッパ連合)から離脱する。しかし残り3か月を切っても、どういう形でEUから離脱するのかすらはっきりしない状況が続いている。

イギリスとEUは2018年11月、離脱の条件を定めた離脱協定案について政府レベルで合意した。「離脱後も2020年末までは現在の関係を維持すること」などが柱で、現在はこれをEU加盟28か国がそれぞれの国の議会で承認手続きを行っているところだ。

しかしこの離脱協定案は、離脱後もイギリスが関税同盟にとどまる可能性があることなどから離脱強硬派を中心に強い批判が出ている。

またイギリスでは与党・保守党は単独では過半数に達しておらず、「ハング・パーラメント」となっている。与党内で造反を公言する議員も多く、メイ首相は「このままでは可決されない」として、2018年12月11日に予定していた採決を先送りした。

いわば時間稼ぎしている状態で、現時点では2019年「1月14日週」に採決をするとしている。仮に14日週の採決で否決されればそのまま時間切れとなり、「合意なし」の状態で期限の3月29日を迎える可能性が高いとみられている。

合意なし、つまり協定を結べないまま離脱すれば、イギリスとEUの間に共通のルールが存在しない状態となってしまう。たとえば、通関手続きが復活することから税関に長蛇の列ができて物流がマヒしたり、イギリスとEU間での金融サービスに支障が出たりするなど、社会・経済が大混乱に陥ることが懸念されている。

このためEUは2018年12月中旬、「合意なし離脱」による混乱を避けるため、離脱後もイギリスの航空機によるEU域内での飛行や着陸を一時的に認めることなど、航空や金融、貿易などの分野における緊急対応策をまとめた。

しかし、「この対策だけではすべての混乱を回避することはできない」とも指摘しており、イギリスに進出している日本企業にとっても深刻な問題が生じる可能性がある。

一方、議会がこう着するなか、2度目の国民投票を模索する動きも出始めている。メイ政権の閣僚もこの動きに加わっているという報道も出ている。手順にのっとって正式に国民投票をやり直すのは3月末までには間に合わないとの見方が一般的だが、どう展開するのか予断を許さない。

さらに野党・労働党は、2018年12月にメイ首相個人に対しての不信任決議案を提出した。首相個人に対しての不信任決議案は可決しても辞任する必要がないが、これを修正して内閣全体への不信任決議案にした場合、可決すれば解散総選挙となる可能性がある。こちらの動きも目が離せない。

いずれにせよ、合意なしの離脱となればイギリスは1970年代のオイルショックに匹敵する打撃を受けるとみられている。EUから離脱するイギリスはどのような一歩を踏み出すことになるのだろうか。