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2019年3月30日 19:24

ロシア“編入”5年 クリミア、断絶の影響

ウクライナであす31日、大統領選挙が行われる。大きな争点は、対立するロシアとの関係。そのロシアがウクライナ領・クリミアの一方的な編入を宣言してから今月で5年。現地はどうなっているのだろうか。

◆ウクライナ大統領は「クリミア奪還」訴え

31日の選挙で再選を目指すウクライナのポロシェンコ大統領。今週、支援者に訴えたのが「クリミアの奪還」だった。

ポロシェンコ大統領「クリミアを救い出し、ロシアに占領されたウクライナ東部を取り戻す」

2014年に、ロシアがウクライナから一方的に編入したクリミア。その「奪還」は次期政権の大きな課題だ。いま、クリミアでは何が起きているだろうか。NNNのカメラが今月、現地に入った。

◆クリミアと外部の“断絶”

クリミアの中心都市、シンフェロポリ。ここで拡大を続けるコーヒーチェーンがある。その名も「スターダックスコーヒー」。どこかで聞いたような名前だが…

スターダックスコーヒー 経営者「(Q:スターバックスと関係は?)ありません。以前そこでコーヒーを飲んだくらいです」

さらに、マクドナルドの空き店舗を利用したファストフード店も。

ロシア編入後、多くの欧米資本がクリミアから撤退、あるいは進出を見合わせている。「本家」がいないからこそ存在するこれらの店は、クリミアと外部との断絶を象徴している。

そうした「断絶」の影響が深刻なのが農業だ。以前、米作りをしていた場所は、いまはすっかり干上がっている。

農業会社社長「かつて同じ国だったウクライナが、用水路の水を止めてしまったんだ」

ウクライナが川の上流で水をせき止めたため、クリミアまで水が届かず、深刻な水不足が続いているのだ。

クリミアでは、様々なところでこうした国際社会による制裁のダメージが垣間見える。

◆ロシアにとっても「代償」が…

一方、ロシアのプーチン政権は、その「穴埋め」にやっきになっている。ロシアは、クリミアと本土を結ぶ巨大な橋の建設などインフラ整備を進めている。2022年までに日本円にして1兆5000億円という巨額を投じる計画だが、これは経済が低迷する中、国の財政にとって大きな重荷でもある。

それでも編入から5年にあたる今月18日、プーチン大統領は自らクリミアを訪れ、その意義を強調した。

プーチン大統領「5年前の出来事(クリミア編入)は、ロシア全土にかつてない愛国心の高まりをもたらし、真実と正義の大きな力を示した」

ただ、当時90%に迫ったプーチン大統領の支持率は、いまや60%台に下落。熱狂はとうに冷めてしまった。

クリミアの一方的な編入から5年。ロシアにとってもその「代償」は決して小さくはない。