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GSOMIA破棄…米国怒る「深刻な代償」

2019年8月24日 0:10

アメリカのトランプ政権は、韓国のGSOMIA破棄の決定に対し、「強い懸念と失望」を表明。これは、同盟国に対しては異例の強い表現だ。アメリカがここまで怒る背景には、どんな事情があるのか。ワシントン支局の星記者に聞く。

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背景には、協定の破棄は、アメリカの安全保障政策に悪影響が出る恐れがあるからだ。日米韓が一枚岩となって北朝鮮など地域の安全保障問題に対応していかなければならない中で、内輪モメをしている場合じゃないだろうといういらだち、危機感が募っている。

トランプ政権の中で、韓国への反発が強まっているといえる。アメリカの再三の説得を無視した形なので、元政府高官は「アメリカとの関係において、韓国は深刻な代償を支払うことになる」と指摘している。

また、アメリカメディアによると、トランプ政権高官は「韓国がアメリカとの集団的安全保障に関与する意思があるのか、根本的な疑問を生じさせるものだ」と不信感をあらわにしたという。

次の焦点は、フランスでのG7サミットに合わせて行われる日米首脳会談。アメリカ側は、まずは日韓双方に対し、対話をするよう求めてくるとみられる。

ただ、日韓が激しく対立する徴用工など歴史認識の問題について、当事者でないアメリカが直接介入することは難しいと思われる。

悪化の一途をたどる日韓関係を打開する具体策は、政権内でも見通せていないとみられる。