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ウクライナ大統領代行、強制排除命令に署名

2014年4月15日 6:40

 ウクライナ東部で親ロシア派のデモ隊が政府の庁舎などを占拠している問題で、暫定政権のトゥルチノフ大統領代行は14日、強制排除の開始を命じる大統領令に署名した。首都・キエフから渡辺祐史記者が伝える。

 ウクライナの暫定政権は、日本時間14日午後3時までに占拠している建物から立ち退かない場合、軍を投入して強制排除に乗り出すと警告していた。しかし、期限を過ぎてもデモ隊は徹底抗戦の構えを崩しておらず、新たにゴルロフカの警察署がデモ隊に占拠されるなど、混乱は広がっている。

 こうした事態を受け、トゥルチノフ大統領代行は強制排除の開始を命じる大統領令に署名した。その一方で、「ウクライナの国家体制をどのような形にするかを問う住民投票を実施する用意がある」とデモ隊側に譲歩の姿勢も示し、事態の収拾を急いでいる。

 キエフでは14日、親ウクライナ派が集会を開き、強制排除に早く乗り出すよう暫定政権側に求めた。

 市民「クリミアと同じにならないよう、早く行動しなければ」「こんな譲歩ばかりでは国を失う」

 これまでのところ、実際に強制排除が始まったという情報はないが、事態が長期化すれば暫定政権への国民の信頼が揺らぎかねず、難しいかじ取りを迫られている。