【解説中継】プーチン氏“3日間停戦”案にトランプ氏は? ウクライナ和平めぐる米露の思惑、今後の交渉は
ウクライナ和平をめぐるロシアのプーチン大統領、アメリカのトランプ大統領の交渉が、岐路に差しかかっています。
プーチン大統領は28日、新たに来月8日から10日までの3日間限定で、ロシア軍とウクライナ軍が停戦に入ることを提案しました。これはロシアが来月9日、第二次世界大戦でドイツに勝利してから80年を祝う記念日を予定しているため、これにあわせた提案で、ウクライナにも同調するよう求めています。
一方のトランプ大統領は、ロシアへの追加制裁に言及するなど圧力を強めています。
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新たな停戦を提案したプーチン大統領の狙いとは? そして、新たな停戦案についてトランプ大統領はどうとらえているのか? NNNモスクワ・平山晃一支局長、NNNワシントン・山崎大輔支局長が解説します。
鈴江奈々キャスター
「新たな停戦を提案したプーチン大統領の狙いは、なんでしょうか?」
NNNモスクワ・平山晃一支局長
「プーチン大統領としては、ロシアに怒りの矛先を向けたトランプ氏をいったんなだめる、そんな狙いもありそうです」
「プーチン大統領の狙いを、3つ挙げると、まず仲介役から手を引く可能性も示唆したトランプ氏との決裂を避ける狙いです。プーチン大統領としては、ロシアは和平に前向きだとアピールすることで、今後の交渉で有利な条件を引き出すための対話は続けたい意向です」
「一方で、前回の30時間の一時停戦では、結局、攻撃はやまず不調に終わりました。今回もそうなった場合、ウクライナが守らなかったと批判する材料にする狙いもありそうです」
NNNモスクワ・平山晃一支局長
「そして来月の戦勝記念日は、中国の習近平国家主席をはじめ、各国の首脳がモスクワに集まるため、不測の事態を避ける狙いもありそうです」
鈴江キャスター
「平山さん、プーチン大統領が『恒久的』な停戦を受け入れる可能性は、少ないのでしょうか?」
NNNモスクワ・平山晃一支局長
「現時点では少ないと思います。ロシアとしては停戦を、いわばえさにして、制裁の緩和などアメリカからできる限りの譲歩を引き出すことが大きな目的です。そのため、無条件で長期の停戦に応じることは、なかなか考えづらい状況です」