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銃武装“過激団体”トランプ氏の発言狙いは

2020年10月3日 16:38

来月3日のアメリカ大統領選挙まで1か月あまり。現地では、トランプ大統領を支持する過激な団体の活動が活発になっています。武器を身につけ集会を開催する団体。その狙いは──

◆極右団体プラウド・ボーイズ 集会で「トランプ支持」

先週、市内の公園に集まってきたのは、武装した人々。防弾チョッキを装備し、中には、銃を持った人も。すると、ギターによるアメリカの国歌が流され、集会がスタート。

  「USA!USA!USA!」

集会を開いたのは、極右団体「プラウド・ボーイズ」。自らを“自由と銃の所持を重んじる愛国者たちの集まり”と称し、全米に1万人以上のメンバーがいるといいます。

プラウド・ボーイズの集会参加者「我々はトランプ大統領を支持している。保守派の価値観を共有していて、大統領に適任だ」

  「トランプ!トランプ!トランプ!アメリカを再び偉大に」

一方で、過激な思想を持ち、憎悪をあおる団体だとも指摘されています。

◆極左と極右の対立が激化

その集会のさなかに、トラブルが。

プラウド・ボーイズのメンバーらが見つけたのは、自分たちとは立場が逆の、極左とみられる人物。集会に紛れていました。

プラウド・ボーイズの集会参加者「黒人差別への抗議活動は、暴力的でテロリストのようで悪質だ」

ポートランドでは、黒人差別への抗議活動を支持する極左とトランプ大統領を支持する極右団体の対立が激しくなっているのです。

◆討論会でトランプ大統領の発言は…“選挙見据えたもの”

こうした対立は、今週行われた大統領選挙の討論会でも議題に。そこでトランプ大統領が発した言葉は──

トランプ大統領「プラウド・ボーイズよ、下がって待機せよ。だが言っておく。誰かが極左を何とかしなければならない」

自分を支持する極右団体の批判はしませんでした。その一方で──

トランプ大統領「国民が求めているのは、法と秩序だ」

法と秩序とは、警察などによる治安維持も意味する言葉。トランプ大統領は、暴徒化した極左を警察などの力で抑え込もうとしているのです。

専門家のパシフィック大学、ジム・ムーア准教授はトランプ大統領の狙いを、選挙を見据えたものだと指摘します。

ジム・ムーア准教授「トランプ氏は、民主党の地盤であるポートランドを“混乱を抑制できていない場所”として作り上げたいのだ。そして、混乱を抑え込むことのできる強い指導者として人々の支持を得ようとしている」

こうした中、極右団体プラウド・ボーイズは活発になるばかりです。

プラウド・ボーイズ幹部 エンリケ・タリオ氏「我々はこのアメリカで政治的混乱を生じさせた連中に、声を大にして主張していくつもりだ。トランプ氏はポートランドに法と秩序を持ち込むべきだし、我々プラウド・ボーイズがそれを広める広告塔になる」

極右と極左の対立で揺れるアメリカ。その混乱さえ利用しながら、トランプ大統領の選挙戦が繰り広げられています。