日テレNEWS
国際
2021年1月19日 14:44

ナゼ?…中国経済独り勝ちGDP2.3%増

ナゼ?…中国経済独り勝ちGDP2.3%増
(c)NNN

コロナ禍の真っ只中だった2020年の中国経済は、最終的に2.3%のプラス成長だった。

他の主要国が、マイナス成長に沈むと予想される中での独り勝ち。経済規模で米中が逆転する時代が、想定よりも早く訪れる可能性もある。

■コロナ禍でも…GDP2.3%プラス

「アメリカやその同盟国の“反中国勢力”は、落胆を禁じ得ないだろう」

中国共産党系のメディア「環球時報」は1月18日、こう論評した。この日発表された中国の2020年のGDP(=国内総生産)は前年比2.3%増で、新型コロナウイルスの感染拡大で大きな打撃を受けた世界の主要国の中では、唯一のプラス成長となる見通しだ。

けん引役は製造業で、12月の工業生産は前年に比べ、7.3%増と高い伸びを示した。在宅勤務の広がりによって、パソコンや部品の生産が増えたことや、「マスク外交」を担った医療品の輸出など外需に支えられた。

さらに、国内の新車販売も、政府の補助金に後押しされて好調だった。中国メディアは、とりわけ名目GDPが100兆元(約1600兆円)を突破したことを「歴史的な飛躍の達成」と沸き立っている。

■コロナが加速…米中逆転早まる?

明暗が分かれる中国と日米欧の経済。新型コロナウイルスの経済への影響は短期にとどまらず、これまで考えられていたよりも早く中国がアメリカを抜いて、世界一の経済大国に躍り出る可能性が出てきた。

イギリスの調査研究機関は去年12月、名目GDPで、中国が2028年にアメリカを抜くとの予測を示した。1年前には米中逆転は2033年としていたが、中国が新型ウイルスを早期に抑え込んだため、5年ほど早まったという分析だ。

中国はコロナ禍を克服しての持続的な経済成長に、自信を深めている。習近平国家主席は、去年10月に行われた共産党の重要会議で、「2035年までにGDP、または1人当たりの所得の倍増目標を実現することは完全に可能である」と明言した。

中国はコロナ禍に苦しむアメリカを横目に、世界一の経済大国の座を射程に捉えている。

■アキレス腱は?21年も独走続くか

さらなる経済成長のカギとして、習指導部が掲げているのが「双循環」というキーワード。これまで「世界の工場」として、外需に支えられた高い経済成長を達成してきたが、米中の貿易摩擦はこの成長モデルに影を落とした。

そこで、成長エンジンを従来の外需=国際循環だけでなく、内需=国内循環もあわせた「双循環」とする新たな成長モデルだ。ただし、今回発表された消費の動向を示す指標では、12月は前年比4.6%増で、11月の5.0%と比べて鈍化した。

中国では冬に入って、一部の地域で新型ウイルスの集団感染が発生。まもなく中国は、中国の人々が1年で最も大事にする春節(旧正月)の連休を迎えるが、今年は政府が異例の「帰省自粛」を呼びかけている。このため、内需をけん引する観光業や、外食産業が打撃を受けることは避けられないとみられる。

習近平国家主席は、来年に迫った2022年の共産党大会で、2期10年の慣例を破って続投することを目指しているとみられる。日中外交筋は「続投を確実にするには、1に経済、2にも経済」との見方を示した。

アメリカのバイデン新政権との関係の先行きも、見通せてはいない。中国政府も「多くの不確実性がある」と語った。新型ウイルスを完全に封じ込めることの難しさと内需停滞の懸念、世界経済のさらなる停滞とアメリカとの貿易摩擦、独り勝ちの中国経済も、決して盤石ではない。(NNN中国総局 富田徹)