戦勝記念日にプーチン氏が演説 ウクライナ侵攻「国全体が支持」 トランプ氏は30日間の停戦提唱
プーチン大統領が注目の演説を行いました。ロシアの首都・モスクワで、第2次世界大戦の勝利を記念した軍事パレードが行われ、プーチン大統領はウクライナ侵攻について「国全体が支持している」などと主張しました。
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大勢の兵士が集まったロシア・モスクワの中心部にある「赤の広場」。第2次世界大戦でナチスドイツに勝利したことを祝う戦勝記念日を迎え、軍事パレードが行われました。
式典でプーチン大統領の隣に座ったのは、中国の習近平国家主席。
席に着くと親しげに談笑する様子もみられました。
20か国以上の首脳が出席する中、行進する兵士たちの中には、中国国旗を掲げる部隊も。ロシア以外に13か国の軍隊が参加したのです。
その軍事パレードには“ある変化”が。去年の約3倍の軍事兵器が登場し、最新鋭の戦車や実際にウクライナ侵攻で使用されている無人機が、軍事パレードで初めて披露されました。
“軍事力をアピール”したロシア。モスクワの街でも…。
小島陸記者(NNNモスクワ)
「多くの人が集まる中、今、目の前を戦車が通っていきます」
沿道には戦車を一目見ようとする人たちで列ができていました。
演説を行ったプーチン大統領は…。
ロシア プーチン大統領
「大祖国戦争勝利80年を祝福する。ロシアはこれまでもこれからも、ナチズムに対する鉄壁であり続けるだろう」
そして、ウクライナ侵攻についても言及。
ロシア プーチン大統領
「ロシア全体が特別軍事作戦の参加者を支持している。(ロシアは)攻撃的で破壊的な考えをもつ人々による残虐行為と闘います。真実と正義は常に我々のそばにある」
“ロシア全体が支持”しているとして、あらためてウクライナ侵攻の正当性を主張しました。
パレード終了後には北朝鮮の代表団に歩み寄り…。
ロシア プーチン大統領
「おめでとうございます。本当にありがとう。すべての戦士に幸福を祈ります」
ウクライナ侵攻で、ロシアを支援するため兵を派遣していた北朝鮮の軍人に対し、感謝の言葉を伝えました。
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一方、式典の前に電話で会談をしたのは、アメリカのトランプ大統領とウクライナのゼレンスキー大統領。
会談後、トランプ大統領はSNSで「アメリカは理想的には30日間の無条件での停戦を呼びかける」とし、また「停戦が尊重されなければ、アメリカはさらに制裁を科すことになる」と警告しました。
ウクライナ ゼレンスキー大統領
「ウクライナは30日間の停戦に応じる準備はできている」
ゼレンスキー大統領はトランプ大統領に「停戦に応じる準備はできている」と伝えたことを明らかにした一方、プーチン大統領は9日の演説でトランプ氏の停戦案については言及しませんでした。
停戦の見通しは立っていません。
(5月9日放送『news zero』より)