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2021年9月11日 15:04

9.11から20年…息子を失った父の願い

■20年前、突然奪われた命

都内で飲食店を営む白鳥晴弘さんを10日、訪ねました。白鳥さんは、飾ってある1枚の写真を見せてくれました。

「これは子どもがニューヨークに行く前ですか、学生時代か何かの写真で…」

笑顔で写っているのは、1人息子の敦さん。20年前の9月11日、突然、その命は奪われました。

■現地の少年「いつか報復してやる」

アメリカ・ニューヨークなどで起きた同時多発テロ。ハイジャックされた航空機が世界貿易センタービルに突っ込みました。日本人24人を含む3000人近くが犠牲になりました。敦さんは当時、ビルの105階で金融関係の仕事をしていました。働き盛りの36歳でした。

白鳥さん
「なんでなんで、っていう、そのことがいつも頭にありましたね」 

その答えを求め、白鳥さんは2003年、アフガニスタンに向かいました。同時多発テロの後、アメリカ軍などの攻撃により、街並みは破壊されていました。

現地の少年は「アメリカが悪い。いつか報復してやる」と言いました。白鳥さんが目の当たりにしたのは、憎しみの連鎖でした。

■アフガン、再び「憎しみの連鎖」に

白鳥さんは振り返ります。

「こんな子が、あと10年したらどうなるの?また銃を持って、同じようなテロの繰り返しがあるんじゃないかな。そういう子どもたちは何なんだ。教育が一番大事なのかなって」

子どもたちが夜でも勉強できるように、太陽光発電のついたライトや文房具などを寄付。自分とは違う価値観や考えがあることを知ることで、テロをなくすことができると信じてきました。

しかし今、アメリカ軍の撤退により、イスラム主義勢力「タリバン」が、実権を掌握しました。アフガニスタンは再び、憎しみの連鎖による混乱の中にあります。

■白鳥さん「自分から温かい心を」

憎しみの連鎖を断つためには―。白鳥さんは今、「ブレーキをかける人が1人でも多くなってほしい」と願います。

「顔を見ただけでも『この人と話したくない』という現実はあると思うんですよ。ただ、そういう人でも1回話をしてみたら、『ああこの人はまた違うな、すごく温かい人だな』と感じる時もあるから、自分から温かい心を送ってあげることが、自分自身にとってもプラスになると思うし、人と人の関係でも、温かい輪が広がると思うんです。そういう分断のブレーキ役にもなれるし、良い方向に進むんじゃないかなと思っています」

(9月10日『news zero』より)