モスクワへのトランプタワー誘致も浮上か プーチン政権が“ディール”模索

ロシアのプーチン政権は、アメリカとの関係改善を進めるため、トランプ大統領との“ディール(取引)”を模索しています。モスクワにトランプタワーを誘致する構想も浮上されているとロシアの独立系メディアが報じています。
モスクワ・タイムズは21日、関係筋の話として、ロシア当局がモスクワのビジネス街に150階建てのトランプタワー建設を持ちかける構想を練っていると報じました。
トランプ氏は1期目の大統領選に向けた選挙戦が本格化するまで、モスクワでのトランプタワー建設を実際に検討していたといいます。
超高層ビルの建設計画は迅速に着手することが可能で、トランプ氏も起工式に参加できるとして、「スピード、インパクト、派手さ これらはトランプ氏が本能的に重視するものだ」という関係筋の声を伝えています。
プーチン政権は去年11月にトランプ氏が大統領選に勝利して以降、ロシアの大手企業に対し、アメリカとの経済協力に関する詳細な提案書を作成するよう命令。政府と企業で準備を進めてきたといいます。
こうした中、プーチン大統領は今年2月、レアアースなどの鉱物資源をめぐり、アメリカと共同開発する用意があると述べ、「我々は鉱物資源をウクライナより桁違いに多く持っている」とアピールしていました。
また、アメリカとの経済協力を模索するロシアのドミトリエフ特使は、トランプ氏に近いイーロン・マスク氏の火星探査計画への協力にも意欲を見せていました。
ウクライナとの停戦交渉を有利に進めるため、プーチン政権はトランプ氏個人に照準をあわせ、1期以内で実現し、メディアに強くアピールできる経済的なディール(取引)を模索しているとモスクワ・タイムズは伝えています。