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次のローマ教皇は?──秘密選挙のコンクラーベ「すでに水面下の戦いが」 有力候補は“アジアのフランシスコ”

2025年4月30日 10:02
次のローマ教皇は?──秘密選挙のコンクラーベ「すでに水面下の戦いが」 有力候補は“アジアのフランシスコ”

次のローマ教皇を決める「コンクラーベ」が5月7日から、バチカンのシスティーナ礼拝堂で行われます。秘密選挙として知られ、独特なルールがあります。専門家によると「水面下の戦い」も始まっています。改革派の流れが続くのか、保守派が巻き返すのか─。

■80歳未満の枢機卿135人に選挙権

小栗泉・日本テレビ解説委員長
「世界14億人のカトリック教徒の頂点となる次の教皇を選ぶコンクラーベは、秘密投票で行われる選挙として知られています」

「コンクラーベは、ラテン語で『鍵をかけて』という意味です。13世紀に3年間教皇が決まらず、鍵をかけた部屋に枢機卿(キリスト教の高位聖職者)を閉じ込め、教皇を決めさせたことが由来とされています」

藤井貴彦キャスター
「そのくらい、教皇を決めるのは大変なことなのですね」

小栗委員長
「そうですね。選挙権を持つのは80歳未満の枢機卿で、現在135人です」

「昔のように本当に鍵をかけるまではいかないようですが、完全非公開で、緊急時以外は外部との連絡を一切禁じられ、電話・インターネット・新聞・テレビなども見ることができないルールになっているそうです」

「1日最大で4回の投票を行い、投票総数の3分の2を獲得する人が現れるまで、何度でも投票が行われます」

藤井キャスター
「その大変な選挙が5月7日から行われるということですね」

小栗委員長
「国際政治と宗教の関係に詳しい、日本大学国際関係学部の松本佐保教授は、『水面下での戦いはすでに始まっている』と言います」

「イギリスのガーディアン紙によると、カトリックの伝統を重んじる保守派と、変えるべきところは変えていくという改革派などに分かれて、バチカンの廊下・食堂・庭園などで緊急協議やロビー活動、いわゆる根回しがここ数日、活発に行われているといいます」

■フランシスコ教皇は「改革派」

藤井キャスター
「選挙なので有力候補もいると思いますが、どうなのでしょうか?」

小栗委員長
「松本教授によると、亡くなったフランシスコ教皇は改革派で、在任中にはイスラム教との対話や女性の登用・同性カップルへの祝福に道を開く活動をしてきました」

「今回は改革派に勢いがあり、特に“アジアのフランシスコ”と呼ばれるフィリピンのタグレ枢機卿が有力な候補だということです」

「また日本の菊地功大司教も、その活動がフランシスコ教皇から高く評価されていたため、今回かどうかは分かりませんが、教皇候補として有力視される1人だということです」

「こうした改革派の流れが続くのか、それとも保守派が巻き返すのか。いずれにしても、予想が非常に難しい状況でコンクラーベに突入しそうだということです」

■前回の選挙は…決まるまでに5回の投票

藤井キャスター
「これから大変な選挙が始まるのですね」

長濱ねるさん(俳優・『news zero』火曜パートナー)
「私はこの選挙の舞台であるシスティーナ礼拝堂に実際に行ったことがありますが、普段観光客が訪れるような場所で、映画の中で行われるようなことが現実に迫っているんだと思うと、ドキドキしますね」

藤井キャスター
「教皇が決まると、礼拝堂の煙突から白い煙が上がります。前回は決まるまでに5回の投票が行われたということです」

(4月29日『news zero』より)
最終更新日:2025年5月1日 9:37
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