“DEI”多様性政策の廃止、採用に波紋広がる 米トランプ政権が推進
アメリカのトランプ政権は「DEI」と呼ばれる多様性を確保する政策の廃止を進めています。採用現場では波紋が広がっています。
トランプ大統領「DEI(=多様性、公平性、包摂性)という偽善的な政策をすべて廃止した」
トランプ大統領は、雇用などでの社会的マイノリティーへの配慮は「逆差別」だと主張。政府機関に多様性を確保する取り組みの廃止を命じ、民間にも対応を求めています。
多様性を重視する企業が参加する就職フェアに行ってみると…。
就職フェア主催団体「政府機関が参加していないことが、今年の最大の変化です」
これまで常連だった政府機関の参加をトランプ政権が禁じたため、ワシントンでのフェアは延期に追い込まれたということです。職を求める人にも大きな影響が出ています。
求職者「NPOに採用される予定だったのに、最後の最後で取り消されました」
トランプ政権がNPOへの補助金をカットしたあおりで、男性は内定を取り消されたといいます。その一方で…。
記者「就職フェアの会場です。各企業がブースを出していますが、政府機関の退役軍人省もブースを出しています。」
会場の隅には、参加を禁じられているはずの政府機関のブースがありました。
求職者「私はソーシャルワーカーで、NPOでの経験があります。履歴書を置いていっても、よろしいでしょうか?」
退役軍人省職員「今回は受け取れません。“採用”活動ではないので」
主催団体は、政府機関にも本音では参加したい職員がいると知り、「採用活動はやらず、情報提供のみ」という形で招いたといいます。いわば苦肉の策です。
「多様性」重視からの大転換に、危機感は広がっています。
主催団体「政府機関が再び、この就職フェアで採用活動できることを願います」