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“DEI”多様性政策の廃止、採用に波紋広がる 米トランプ政権が推進

2025年5月10日 12:07
“DEI”多様性政策の廃止、採用に波紋広がる 米トランプ政権が推進

アメリカのトランプ政権は「DEI」と呼ばれる多様性を確保する政策の廃止を進めています。採用現場では波紋が広がっています。

トランプ大統領「DEI(=多様性、公平性、包摂性)という偽善的な政策をすべて廃止した」

トランプ大統領は、雇用などでの社会的マイノリティーへの配慮は「逆差別」だと主張。政府機関に多様性を確保する取り組みの廃止を命じ、民間にも対応を求めています。

多様性を重視する企業が参加する就職フェアに行ってみると…。

就職フェア主催団体「政府機関が参加していないことが、今年の最大の変化です」

これまで常連だった政府機関の参加をトランプ政権が禁じたため、ワシントンでのフェアは延期に追い込まれたということです。職を求める人にも大きな影響が出ています。

求職者「NPOに採用される予定だったのに、最後の最後で取り消されました」

トランプ政権がNPOへの補助金をカットしたあおりで、男性は内定を取り消されたといいます。その一方で…。

記者「就職フェアの会場です。各企業がブースを出していますが、政府機関の退役軍人省もブースを出しています。」

会場の隅には、参加を禁じられているはずの政府機関のブースがありました。

求職者「私はソーシャルワーカーで、NPOでの経験があります。履歴書を置いていっても、よろしいでしょうか?」

退役軍人省職員「今回は受け取れません。“採用”活動ではないので」

主催団体は、政府機関にも本音では参加したい職員がいると知り、「採用活動はやらず、情報提供のみ」という形で招いたといいます。いわば苦肉の策です。

「多様性」重視からの大転換に、危機感は広がっています。

主催団体「政府機関が再び、この就職フェアで採用活動できることを願います」

最終更新日:2025年5月10日 12:07
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