“世界で一番貧しい大統領”死去 ムヒカ元大統領が伝え続けた「メッセージ」
「世界で一番貧しい大統領のスピーチ」という絵本でも親しまれた南米ウルグアイのホセ・ムヒカ元大統領が亡くなったことがわかりました。ムヒカ元大統領が生涯を通して私たちに伝え続けたメッセージがありました。
ホセ・ムヒカ元大統領
「人類はこの消費社会にコントロールされてしまっている。貧乏な人とは、少ししか持っていない人ではなく、無限の欲がありいくらでも満足しない人のことだ」
2012年の国連会議でのスピーチで世界中の感動を呼んだ、南米ウルグアイのホセ・ムヒカ元大統領が、89歳で亡くなったことがわかりました。
収入の9割を寄付するなどし「世界一貧しい大統領」と呼ばれ親しまれていたムヒカ元大統領。自らトラクターを動かし、乗っている車は、公用車ではなく、友人からもらったフォルクスワーゲン。質素な生活を送っていました。
アメリカのメディアによりますとムヒカ元大統領は、2010年から2015年までウルグアイ大統領を務め、任期中、ウルグアイの経済成長を拡大させ、貧困率の低下を実現したといいます。一方、幼くして父親を亡くし、花売りの母親に育てられ、ウルグアイ国内の貧富の格差に憤りを感じ、ゲリラ闘争で政治変革を目指していたという過去も伝えられています。
訃報を聞き悲しみに包まれた地元、ウルグアイでは――
ウルグアイ国民
「本当に悲しいです。彼は政治と国のためにすべてをささげました」
ウルグアイ国民
「大統領であってもなくても、私たちは生まれた日から同じ人間であることを教えてくれました」
ペペという愛称で国民から愛されたムヒカ元大統領。生涯を通して伝え続けたのは――
ホセ・ムヒカ元大統領
「私たちは発展するために生まれてきたのではありません。幸せになるために生まれてきたのです」
日本では、国連でのスピーチをもとにした絵本など、多くの書籍が出版され、現代社会へ問題提起してきました。
9年前には来日し日本のメディアの前でも「本当の幸せと豊かさ」について語っていました。
ホセ・ムヒカ元大統領
「富に執着するあまり絶望しながら生きることはしないでほしい。愛情を育むこと・子ども・友人、人生にとって変わらない価値があるものに時間を使ってほしい」
(5月14日放送『news zero』より)