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ブラックボックス、いい状態~マレーシア側

2014年7月22日 19:41

 ウクライナ東部でのマレーシア航空機の墜落で、原因究明の鍵となるブラックボックスが22日未明、親ロシア派からマレーシア当局に引き渡された。受け取ったマレーシア政府関係者は「いい状態だ」と話し、解析に自信を示している。

 ブラックボックスの引き渡しは22日午前1時半頃に行われたが、世界中のメディアが集まった。その中で、親ロシア派のリーダーの誇らしげな表情が印象的だった。

 航空機の飛行の状況などを記録するブラックボックスは、ごつんごつんという重い音を立てて2つ並べられた。うっすらと泥のような汚れがつき、一部がへこんでいたが、受け取ったマレーシア政府関係者は「いい状態だ」と話し、解析に自信を示した。

 ブラックボックスを持っていた親ロシア派は、自らを「ドネツク人民共和国」と名乗っており、マレーシア側と国同士の調印式のようなことを行い、文書を交換した。ブラックボックスを譲り渡すことで、いかに自分たちが良識的で紳士的かを誇示しようとしたのは明らかで、事故が政治的なアピールの道具として使われた印象を受けた。

 遺体をのせた列車は日本時間22日未明、現場近くの駅を出発した。282体の遺体と16人分の遺体の一部をのせて、250キロ北にあるハリコフに向かっている。政府は「これで遺体の捜索を終えた」と発表したため、今後は原因究明の調査が本格化する見込み。

 親ロシア派のリーダーは、調査に協力するために現場周辺10キロを停戦ゾーンとすることを宣言したが、親ロシア派がブラックボックスを持ち帰っていたことに象徴されるように、現場の保存は全くできていない。

 また、ドネツク市では21日に再び戦闘が始まり、戦車など軍の車両の姿が見られた。この異常な状況下でどこまで徹底した調査ができるかは不透明。