2025年4月21日、2024年12月の非常戒厳を巡り、内乱を首謀した罪による裁判に姿を現した韓国前大統領・尹錫悦(ユン・ソンニョル)氏。異例ずくめとなった今回の裁判ですが、ユン前大統領を巡っては、他にも“あらぬ噂”が。さらに、窮地の夫だけでなく、妻・金建希(キム・ゴンヒ)氏に関する数々の暴露も明らかに。その衝撃の内容とは？『コリア・レポート』編集長・辺真一氏の解説です。

■“転落”のウラに占い師の存在？ユン前大統領を「最後まで闘え」とけしかけたか

夫妻で複数の占い師に心酔か

　韓国メディアによると、「ユン前大統領夫妻は複数の占い師に心酔していた」といわれています。最初に疑惑が持ち上がったのは2021年、大統領選のテレビ討論会。ユン前大統領の手の平に『王』の字が書かれていたことに対し、対立候補に「お告げで政治をしているのでは？」と聞かれると、ユン前大統領は「近所のおばあさんが書いた」と釈明していました。

　そして、占い師が「方角が悪い」と言ったことで､官邸を約80億円で移転。カンボジアに行った際には「縁起が悪い」とお告げを受け、キム・ゴンヒ夫人だけ各国の夫人とは別行動だったということです。

　さらに、戒厳解除後は「我が党に一任する」と言っていたユン前大統領ですが、5日後には「最後まで闘う」と発言を一転。2025年4月8日には“占い師”がYouTubeで、「国民の為になる人はユン・ソンニョル一人だけ」と、ユン前大統領に「最後まで闘え」とけしかけていました。

Q.ユン前大統領は、「青瓦台はお金がかかるから移転させた」と言っていましたよね？
(『コリア・レポート』編集長・辺真一氏)
「そうなのですが、『方角が悪い』という占い師の言葉で移転させたとみられています。しかし、
その公邸からは立ち退きましたので、結局2年半ぐらいしか住んでいません」

■疑惑①国家予算で買った50万円のキャットタワーを横領？夫人は否定も新たな疑惑が…

引っ越しでキャットタワーを横領？

　そんなユン前大統領夫妻は弾劾から1週間後、犬6匹・猫5匹と共に公邸から自宅マンションへ引っ越しました。その荷物の中にキャットタワーが入っていましたが、それが『3年前の公邸移転の際、約50万円の国家予算で設置したものではないか』との疑惑が。もし、今回のキャットタワーがそのキャットタワーであれば、私邸に無断で搬入した場合、横領罪に当たる可能性があるということです。

Q.国家予算でキャットタワーを買ったんですか？
(辺氏)
「キム夫人側は､『キャットタワーは2つあり、1つは確かに国費で買ったが購入額は17万円で、それは大統領公邸に置いてある。自宅マンションに持ってきたのは、以前自分で買ったものだ』と主張しています。しかし、間違いなく帳簿上の契約書には50万円と書かれていたので、『残りの33万円はどこに消えたのか』という新たな横領疑惑が持ち上がっています」

Q.韓国では、大統領になるとき財閥や検察にお世話になるので、その人たちの頼みを断り切れず汚職などに走るケースが多いようですね？
(辺氏)
「そうですね。当初は、砂糖に群がるアリのように大統領に群がって、それぞれが権力の座に就くなど、おこぼれをもらいます。ところが、こういう形で失職になると今度は一斉に去っていき、最近ではユン前大統領が電話しても誰も取らないというような話も伝わってきています」