防災現場に“自信”もち加わった女性たち…「余裕できるんだ」変化は男性にも <みなとBOUSAI女子会・久保井さんに聞く「バランスのよい防災」>
■男性も女性も一緒に“柔軟性のある防災”を
こうした活動を4年ほど続けた久保井さん。女性が自信を持って防災に取り組む地盤は着実にできてきたと感じる一方で、受け入れ側の男性の認識の変化も、まだまだ必要であると感じています。
「これからの防災のためには、両面でやらなくてはいけないと思います。女性には自信をつけて『自分も参加しなきゃいけない』という課題意識を持ってもらうこと。そして、男性には“自分が皆を助けなきゃ”と背負ってしまわずに『女性にも参加してもらうことで余裕ができる』『女性がいると自分たちが目指す防災ができる』と気づいてもらうことですね」
久保井さんは昨年から、港区の男女平等参画センターで「みなとBOUSAIプログラム」を立ち上げ、男性も女性も参加できる場を設けています。プログラムに参加する男性には「防災委員のなり手が見つからない」「防災訓練の参加者が少ない」といった共通の悩みがあり、意見交換をしていく中で、「女性の目線も必要なんだ」と気づいてくれるといいます。
「マニュアルや組織といった“かたいもの”と、カフェや楽しめるイベントにするといった“やわらかいもの”、どちらも防災に重要な要素なんです。どちらか一方をないがしろにすると、バランスを崩して継続が難しくなったり、独りよがりの防災になったりしてしまいます。独りよがりになると賛同してくれる人が減って、防災力の向上にはつながりません。バランスが良くて柔軟性のある防災を、男性と女性、みんなで一緒にやっていけたら心強いですね」
【久保井千勢さん】
防災士5年目
三田シティハウス防災委員会委員長
みなとBOUSAI女子会リーダー