空き時間“手軽にスキマバイト” 急拡大の一方…半数近くがトラブル経験『every.特集』

空き時間に手軽に働ける「スキマバイト」。スマートフォンのアプリに登録して働く人は3200万人を超え、中には介護や保育などの求人といった人手不足に悩む業界にも広がりつつあります。幅広い世代で利用者が増える一方で、さまざまなトラブルも…。
これからスキマバイトで働くという小林さん(22)。
この日の仕事は、カレー店での調理の補助です。お店に着くと、チェックイン用の二次元コードを読み込み、すぐに勤務開始。
隙間時間に短時間から働けるスキマバイト。履歴書の提出や面接は必要ありません。
声優の養成所に通っている小林さんは、突然のオーディションなどもあり、スケジュールの調整がしやすいという理由で、スキマバイトを始めたといいます。
小林さん(22)
「自分のできる時間帯で、いろんな仕事があったりする。いままでやったことない仕事とかも体験できるし、お金ももらえるしみたいな」
大手のスキマバイトアプリに登録して働く人は、この1年で倍増。のべ3200万人を突破しました。
中には介護や保育などの求人もあり、人手不足に悩む業界にも広がりつつあります。
小林さんは仕事が終わると、「こんな感じで、すぐ入金される」といいます。この日は2時間で2326円稼ぎました。
すぐに手元に給料が入ることも、魅力のひとつです。
お店の人もスキマバイトのメリットを感じていました。
サファリカレーショップ中野店・安部美紀店長
「求人を出してもほとんど(応募が)来なかったのに、(スキマバイトで)募集したらすぐいっぱい来た」
「(スキマバイトの)おかげでやれてる感じがある」
人手不足に悩む業界と手軽に働きたい人たちの需要がマッチし、急速に広がったスキマバイト。
しかし今、さまざまな課題が浮き彫りになってきています。
株式会社タイミー・小川嶺代表取締役
「事業者の実態確認に、厳正に取り組むことを実施いたしました」
最大手スキマバイトサービスのアプリ内に、断定はできないものの闇バイトと疑わしき求人が数件掲載されたことが判明。運営会社は事業者の確認を強化するとしました。
また、厚生労働省も…。
福岡資麿厚労相
「(スキマバイトについて)労働基準関係法令の違反が認められた場合、監督指導を行うなど適切に対応したい」
1人が複数の会社のアプリを併用してスキマバイトをした場合、適切に時間管理ができず、労働基準法の上限時間を超えてしまう可能性も指摘されています。
さらに、スキマバイトで働いたことがある人への調査では、「仕事内容が求人と違った」など、半数近くの人が何らかのトラブルを経験していることが分かっています。