学校や家庭以外の「居場所」…家庭環境問題の支援「はざまの少年少女」に寄り添うための寄り添わない支援とは
大人の影がないことによる使いやすさ
奥村さん「第3の家族では、gedokunという自分の悩みや課題感を共有し、発散できるサイトの運営をしています。
私自身が友達にも誰にも相談できず、悩みを口に出すことがしんどい状態で、だんだん疲れてしまって、1人で抱え込んでた時期がありました。
自分しか見られないTwitterアカウントを作り、そこにずっと悩みを吐き出すみたいなことをしていて、それが私にとっては逃げ場になっていました。
ユーザーリサーチをかけたところ、スマホのメモ帳に悩みをひたすら書き込む子とかも居たりして、悩みを誰かに話すだけじゃなくて『とにかくリリースするニーズ』もあるなと思ったのでgedokunを始めました。
gedokunは自分の悩みをテキストで投稿することができます。投稿に対して『わかる』『エール』のボタンが用意されていて、共感や応援の要素が可視化される仕組みです。
gedokunでが、投稿への返信などは出来ません。共感だけで励まし合う場所になっています」
トムさん「自分たちの悩みを吐き出すのは、結構勇気がいる行動だと思っています。ここでは匿名性とかが担保されているので、gedokunを知っていたら使えそうと感じ、結構ハードルが低いサービスになっていると感じました」
奥村さん「大学時代にデザイン工学を学んでいて、こういうものがあったらいいなと思いインターネットに公開したところ、思った以上に悩みが集まってきたんです。
そこに集まる悩みの多さや、複雑さを見てこの社会問題は全然解決されていないんだと思いました。
そこから自分でやらなきゃいけないとどんどん活動を広げてきました。
他にはnigerunoというサイトも運営しています。はざまにいる子たちがさらに多くの選択肢を選ぶことが出来るように、想定されるさまざまな情報を集めてアクセスできるようにしています。
冷静に課題を解決できるデザインや、人と情報の接面がどうあれば心地よいかというUI(ユーザーインターフェース)に配慮したクリエイティブを大切に作っています」