羽毛布団のリサイクルが進まないワケ 実は、中古品ほど価値がある⁉ 年間1億枚も廃棄される布団

春は新生活の幕開けとなるシーズン。布団を新調する人も多いのではないでしょうか。
株式会社yuniの調査によりますと、年間に1億枚も布団などの寝具が捨てられているというデータがあります。日本の人口が約1.2億人なので、1人あたり1年で1枚近く捨てている計算になります。
しかも、その大半がリサイクルできていないといいます。
粗大ゴミと同じ扱いで一括して回収される布団
名古屋市環境局事業部作業課・大西和博さん:
「布団類ということで2枚1組で申し込みをいただいておりまして、掛け布団、敷き布団のほか、毛布も布団のひとつとして扱っています」
布団は大きい上に容量もかさむため、収集車の回転板で他の粗大ゴミと共に細かくしながら回収されています。
これが、リサイクルの進まない原因となっています。
名古屋市環境局事業部作業課・大西和博さん:
「別の車を用立てて回収するという方法もあると思うが、車両と収集する人員がさらに必要になるので、費用などを考えるとなかなか難しいです。リサイクルできる方がいいなと思っているが、市民の利便性を考えると一括して粗大ゴミとして回収するというのもやむを得ないですね」
しかも、この回収・処分方法には、リサイクルできない点の他にも問題があります。
名古屋市環境局事業部作業課・大西和博さん:
「羽毛布団を破砕したときに、羽毛が舞って火災のリスクがあります」
収集車で回収されたゴミは破砕工場でさらに細かく粉砕されます。
このゴミの中には鉄やアルミ、ときには電池なども交ざっているため、それらがこすれ合って発火した場合、そこに羽毛があると火が広がりやすいというのです。
中古の羽毛布団には、かけがえのない価値がある
布団の処分には、乗り越えなくてはならない課題があります。
その課題に、ある企業が取り組んでいます。
河田フェザー・河田敏勝社長:
「価値があるものとゴミは違うよね。羽毛は回復できる。定期的に5年とか10年単位で戻ってくれば、たぶん羽毛の寿命は100年とかもっとあると思う」