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球技大会にeスポーツを導入!!『ゲーム好きが学校の主役に』 工業高校で"多様な才能"を認める新時代の学校行事 約8割「また参加したい」 愛知・豊川市

2025年6月5日 12:10
球技大会にeスポーツを導入!!『ゲーム好きが学校の主役に』 工業高校で"多様な才能"を認める新時代の学校行事 約8割「また参加したい」 愛知・豊川市
球技大会にeスポーツを導入(提供:豊川工科高等学校)
5月28日、愛知県豊川市にある県立豊川工科高校で、毎年恒例の球技大会が開催されていました。しかし、大きな歓声が上がっていたのは、なぜか教室。ゲームのコントローラーを握りしめた生徒を、多くのギャラリーが固唾を呑んで見守っています。実は、この学校では今年から球技大会にeスポーツを取り入れたのです。

文部科学省によると、eスポーツとは「エレクトロニック・スポーツ」の略で、コンピューターゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉える際の名称。全世界における市場規模は2018年時点で約1000億円。2026年に愛知・名古屋で開催される第20回アジア競技大会でも、正式競技に決定しています。

運動が苦手でも、ゲームの世界では輝ける。県内の公立高校としては珍しい、多様な才能が認められる新時代の学校行事がスタートしました。

コロナ禍で浮き彫りになった課題がeスポーツ導入のきっかけに

運動が苦手な生徒たちが活躍できる場を作りたい。そんな思いから始まった豊川工科高校のeスポーツ導入。

球技大会や体育大会などは、運動が得意な生徒にとっては楽しみな学校行事ですが、運動が苦手な生徒は肩身の狭い思いをすることも。さらに、コロナ禍を経てある課題が見えてきたことも一つのきっかけになったと、発案者である中川恵輔先生は話します。

生徒会主任 中川恵輔先生:
「コロナ禍以降、運動能力が低い生徒の割合が増えてきたんです。一方で、ゲームが得意だったり、ゲーム実況をよく見ている生徒は多い。そういう子たちが輝ける機会を作れないかと考えました」

当初は「学校でゲームなんて…」という否定的な反応が返ってくるのではないか予想していた中川先生でしたが、校長先生からは意外にも「やろうよ」と前向きな返事。生徒会のメンバーも「まさか学校でゲームができるなんて!」と大喜びで、ルール作りやゲームの選定など、原案作りに積極的に参加したといいます。

その後、生徒たちはもちろん教員や保護者からも賛同を得られたため、昨年12月ごろから実現に向けて動き出しました。

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投票でゲームタイトルを選定 「生徒が楽しめることが最優先」
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