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ペットボトルが給食用の食器に変身! ペットボトル2本で食器1枚 子どもへの"環境教育"だけでなく"コスト削減"も 岐阜の陶磁器メーカーが挑むエコ革命

2025年4月18日 18:10
ペットボトルが給食用の食器に変身! ペットボトル2本で食器1枚 子どもへの"環境教育"だけでなく"コスト削減"も 岐阜の陶磁器メーカーが挑むエコ革命
ペットボトルをリサイクルして作られた給食用食器(提供:株式会社おぎそ)

子どもたちが使う給食用の食器にもサステナブルな選択肢が生まれました。岐阜県の老舗陶磁器メーカーがペットボトルを再利用した給食用食器を開発し、環境教育と実用性を兼ね備えた取り組みを全国に広めようとしています。

陶磁器メーカーがペットボトルを再生したプラスチック食器を開発

美濃焼の産地として知られる岐阜県で陶磁器の製造・販売を手がける株式会社おぎそが、環境に配慮した取り組みを展開しています。

3月18日、同社は三重県津市と「カーボンニュートラルの実現に向けたプラスチック資源循環の推進に関するパートナーシップ協定」を締結し、ペットボトルをリサイクルして製造した給食用食器を約9000人分、市内の小学校23校と中学校2校に無償で提供しました。

リサイクル食器の使用感や耐久性を実際の学校給食の現場で試してもらうことが目的です。

同社は環境に配慮した製品の開発に長年取り組んでいて、2005年からは割れた食器を再利用した強化磁器製の給食用食器の製造販売を行ってきました。

一方で、学校給食用食器の約70%はプラスチック製が占めていて、そのほとんどがリサイクル素材を使用していないのが現状だといいます。

強化磁器のリサイクルを手がける同社に、学校関係者からプラスチック製のリサイクル食器の開発を求める声が多く寄せられるようになり、約10年前に開発をスタート。3年前に商品化に成功し、全国への展開を始めました。

全国展開進がむエコ食器 環境教育の教材にも

同社の給食用食器の特徴は、食材が直接触れる内側には通常の樹脂を使用し、外側にペットボトルを再利用したリサイクルPET樹脂を使用するという二層構造になっている点です。

給食用食器1個を製造するのに必要なペットボトルは3〜4本程度、小さい食器であれば2本ほどで作ることが可能。従来の給食用食器に使われる高価な樹脂と比較してコスト削減にもなり、耐久性や耐薬品性なども遜色ないと、担当者は胸を張ります。

こうしたメリットに加え、環境配慮の観点からも行政に受け入れられやすく、神奈川県横浜市や愛知県名古屋市をはじめ全国10市町村で導入されていて、学校給食という身近な場所でリサイクル食器に触れることで、子どもたちが環境問題について考えるきっかけもなっているということです。

今後の展望について、同社の担当者は「北海道から沖縄まで全国に広めていきたい。学校給食でもリサイクル食器が当たり前になるよう展開していければ」と意欲を語りました。

環境に配慮した給食用食器が、今後ますます広がっていくことが期待されます。

最終更新日:2025年4月18日 18:10
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