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全国でも珍しい「お酢の蔵開き」お酢グルメの味は 木おけで仕込む伝統の製法に逆風も 福岡

2025年4月18日 19:17
全国でも珍しい「お酢の蔵開き」お酢グルメの味は 木おけで仕込む伝統の製法に逆風も 福岡

福岡県大川市では19日から2日間、全国的に珍しい「お酢」の蔵開きが行われます。原料となるコメの価格高騰など製造を取り巻く環境が厳しさを増す中、新たなアイデアで酢の魅力を伝えています。

福岡県大川市の「庄分酢(しょうぶんす)」は、300年以上の歴史を持つ醸造メーカーです。江戸時代の創業当時から続く伝統的な製法を受け継ぎ、年間およそ1000トンの酢を全国各地に出荷しています。

実際に使われている酢蔵を見学できるということで、訪れました。

■吉村史織アナウンサー
「酢の香りから、少し醤油っぽい香りとお酒みたいな香りもあって、不思議な空間です。」

50年以上前に作られた8つの木おけが並び、先週仕込んだ酢が発酵の真っ最中です。

■吉村アナウンサー
「すごく暖かいです。表面に白い膜みたいなものが張っています。」

表面を覆うのは、酢を作る微生物の「酢酸菌」です。自社で作った酒に酢酸菌を加え、3・4か月ほど発酵を促します。じっくり熟成させると、すっきりまろやかな味わいの酢ができるといいます。

■庄分酢・高橋清太朗 社長
「手間暇をかけてやっていることを、もっと消費者に知ってほしいという思いがあったので、造る過程や職人と直接話ができる機会を設けたいなと酢蔵開きを始めました。」

19日から2日間の蔵開きの期間中、併設のレストランでは酢の専門店ならではの限定ランチが楽しめます。

黒酢をたっぷり使った「手羽元のさっぱり煮」や、すし酢を混ぜ込んだ「ちらし寿司」など、料理によって様々な酢を使い分けています。酢と一緒に煮立てた「真鯛のアクアパッツァ」をいただきます。

■吉村アナウンサー
「魚介のソースの奥の方に、後味にほんのり酸味を感じます。おいしい。」

限定ランチはすでに予約で埋まっていますが、当日は酢を使った特製弁当と、黒酢のカレーが販売されます。

■リストランテ ショウブン・木下陽介シェフ
「(酢を)少し加えるだけでコクが増します。素材に合わせていろいろな組み合わせがあることを伝えて提案しています。」

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