戦火を逃れて福岡で就職したウクライナ女性 ロシアとの3年ぶりの直接交渉に願うこと
ロシアとウクライナの停戦をめぐり、16日、およそ3年ぶりに直接交渉が行われます。戦火を逃れるために母国を離れ、福岡で就職したウクライナ人女性に今の率直な思いを聞きました。
福岡市博多区で16日まで開かれていた食品関連のイベント。会場の一角に、ウクライナ料理を販売するブースがありました。
■ソフィア・ユルチェンコさん(22)
「いらっしゃいませ。ウクライナ料理いかがですか。」
ウクライナ出身のソフィア・ユルチェンコさん(22)、愛称は「ソーニャ」です。ロシアがウクライナへの軍事侵攻を開始した3年前、福岡に避難しました。太宰府市の大学を卒業して、この春から福岡市の食品卸会社「岩田産業」で働いています。
■ソーニャさん
「母国から遠いということは、なにもできないという気持ち。 会社に入って、ウクライナの平和に寄与するという気持ちです。」
ロシアとウクライナの代表団は16日、およそ3年ぶりに停戦をめぐる直接交渉を行います。ただ、プーチン大統領が首脳会談の呼びかけに応じず、双方が高官級の交渉団となる見通しで、大きな進展は望めないとの見方が出ています。
■ソーニャさん
「プーチン大統領が実際に会談にきてほしいと願っています。直接話してほしいです、ゼレンスキーさんと。」
写真の中で、ソーニャさんの隣で穏やかな表情を浮かべるのは、婚約者のオレクシーさんです。今もウクライナの首都、キーウに残っているといいます。毎日連絡を取りあっているものの、不安は拭えません。ソーニャさんの願いはただ一つです。
■ソーニャさん
「ロシアとウクライナの戦争は、むだな戦争だから止めてほしいです。心から平和を願っています。」
平和は決して“当たり前”ではない。ソーニャさんは母国には戻らず、婚約者と日本で暮らすのが夢だと複雑な思いを口にしました。