一人前の航海士を目指し新人海上保安官が奮闘「日本の海を守る」船内で2か月生活→審査に挑む 特集【キャッチ】
夜、船内には出羽さんの姿がありました。新人は船を理解し慣れるため、最初の2か月ほど船内で生活します。揺れる船内で日々の勉強に加え、体力トレーニングも怠りません。
海上保安官を志したのは、高校生の時でした。
■出羽さん
「警察としての仕事もするし、消防士のようにレスキューや交通のことであったり、いろんな仕事を経験して、自分に合っていること、やりたいことを見つけられるのも魅力の一つに感じました。」
いわゆる“海上の警察・消防”として海難救助だけでなく、犯罪の取り締まりや領域警備を担う海上保安官。中国による日本への領海侵入が繰り返されるなど、周辺海域を巡る情勢は緊迫化していて、その重要性が高まっています。
その海上保安庁の一員として、出羽さんは日本の海を守るという大きな目標を持ちながら、目の前の業務に向き合っています。
■出羽さん
「新任ですが、部下をまとめないといけない立場。知識と経験がない中で、事前に準備していくことが かなりきつい。」
向かったのは、誰もいない操縦室です。
■出羽さん
「ここに座るとやっぱり景色を覚えていて、左に切って大きくよけた方がよかったのかなとか、正解が1パターンじゃない分、こういう方法があったな、あの人がこう言ってたな、いろいろ吸収していく。」
航海士としての習熟度を測る個人審査に向けて準備を続けます。そして、審査当日。
■出羽さん
「行ってきます。」
緊張した表情で審査へと向かって行きました。
この日は雪も降る悪天候。視界が悪くなる状況もある中、最も求められるのは安全な航海です。これまでの訓練や準備を信じて、落ち着いて指示を出すことを心がけました。
出羽さんの乗った巡視船が戻ってきました。審査の結果は。
■試験官
「結論から申し上げます。合格です。全体的には安心して見ることができました。」
合格です。ただ、厳しい指摘もありました。
■試験官
「船橋(操縦室)全体に情報を届ける。船長の方が声が大きい状態。出羽くんの声が小さくて、一番端の人に声が聞こえていたかというと、おそらくあまり聞こえていない。」
■出羽さん
「個人的に、自分の中では合格点は出ていなかった。悔しさがありつつ、とりあえず終わってほっとした感じです。スタートに立てたかな。」
海上保安官としての新たな一歩を踏み出した出羽さん。日本の海を守るという目標に向けて、道のりは始まったばかりです。
※FBS福岡放送めんたいワイド2025年3月19日午後5時すぎ放送