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【解説】「陸の警固断層帯」による地震リスクとは 死亡1183人・ケガ2万2508人・全壊1万7967棟を想定【福岡県西方沖地震から20年】

2025年3月20日 18:48

警固断層帯による地震のリスクも分かってきています。その一つが、断層面の真上のリスクです。過去に、警固断層帯では断層が縦方向に数メートルずれたとみられていて、実際に発生すればビルが倒壊する危険もあります。

さらに、警固断層帯の東側は地下の深い所まで軟弱な地盤で、大きな揺れが長い時間続くとみられています。

また、福岡管区気象台は別のリスクを指摘します。

■福岡管区気象台・伊藤邦敏地震津波防災官
「仮に震源が浅いところで発生した場合、緊急地震速報よりも揺れが早く到達する可能性もあります。身を守る行動は変わりませんので、普段からの備え、どういった行動がとれるかを確認することが一番重要だと思います。」

断層に近い福岡都市圏などでは、緊急地震速報よりも先に強い揺れが始まる恐れがあるというのです。

福岡県が予測した陸側の警固断層帯の地震による被害は、最大で死者1183人、ケガ人は2万2508人、建物の全壊1万7967棟などと想定されています。

福岡県内には警固断層帯以外にも、強い揺れを起こす恐れのある活断層が確認されています。どこも絶対に安全とは言えません。

家の中のものの転倒や落下防止など、日頃からの地震への備えはもちろん、いざという時に学校や職場、家庭などでどう行動するか、普段からイメージしておくことが必要です。

警固断層帯で直下型地震が発生した場合、博多と天神地区では、およそ3万8000人が帰宅困難となることが予想されています。

地震直後は、建物の倒壊や落下物などでケガをする恐れがあるほか、公共交通機関が止まることで混雑も予想されます。

緊急車両が通行できず、救助活動の妨げになる恐れもあるため、福岡市は、むやみに移動を始めず、まずは近くにある公園や広場など、安全が確保できる場所に避難するよう呼びかけています。

その後、帰宅困難者を一時的に受け入れる「一時滞在施設」を利用できます。例えば、天神地区では、市役所のロビーや天神ビジネスセンター、福岡大名ガーデンシティなど14か所です。

施設そのものが被害を受けている恐れもあるため、自治体からの情報を確認してから落ち着いて移動するようにしてください。

最終更新日:2025年3月21日 19:30
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