新進気鋭のシェフと生産者が交流 赤色のパクチー・スミノエガキ 県産食材の新たな可能性を探る 佐賀
有明海では、“悩める生産者”との出会いもありました。ノリ漁師の橋間勝由さんは3年ほど前から、海苔漁の合間に干潟で天然のスミノエガキを収穫しています。
■スミノエガキを出荷・橋間勝由さん
「これがスミノエガキです。」
■引地シェフ
「大きいですね。」
■橋間さん
「これまだ小さい方です。」
スミノエガキは、全長20センチほどにもなる大きさや、えぐみのないまろやかな味わいで、これまでは地元を中心に生ガキで出荷されてきました。有明海の新たな特産品を目指す中、課題となっているのが販路だといいます。
■橋間さん
「(佐賀だと)値段がすごく安い。でも東京だと価値が分かる人がいるので、値段は高くして価値を高められる。」
引地さんは、加工した方がより流通しやすいとアドバイスします。
■引地シェフ
「甘い。このサイズ感だと、これで1個の料理にできるし、しやすいと思う。」
この日は、佐賀で出会った食材を使って試作し食材の可能性を探ります。
引地さんはスミノエガキを湯がき、スパイスを投入します。
■引地シェフ
「カキ自体に、スパイスのだしというか香りをまとわせてあげたいなと。東京だとこんなふうに出せるというのを見せたい。」
滞在最終日には、引地さんが腕を振るい生産者を招いて食事会が開かれました。招待客には、スミノエガキの販路で悩む橋間さんの姿もありました。
低温でじっくりと火入れしたスミノエガキは、スパイスの効いた豆のカレーが添えられたインド料理の一皿になりました。
これまで、焼きガキなどでしか食べたことがなかったという橋間さんは。
■橋間さん
「カレー味?みたいな。そういうやり方もあるんだなとびっくりしました。火を通して商品化すれば使ってもらえる店がたくさんあると知ったので、今からやっていこうと思っています。」
■引地シェフ
「まだ知られていないものがいっぱいあって、まだ販路に困っている人たちもいて、彼らの良さを僕は東京でお客さんに伝えていきたいと思っています。」
新進気鋭のシェフと佐賀が誇る豊かな素材の出会いで、食材の新たな可能性が広がっていきます。